北海道一周、自転車で走ったよ!?
2010年夏、苫小牧をスタートしました。さて、結末はいかに? 紀行エッセイです。
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2010年7月22日(木) ああ!愛しの羊蹄山 (余市―倶知安 109km)
朝、起きると、幸いなことに雨は降っていなかった。
うーん、でも微妙。空には明るいところもあれば暗いところもある。降るといえば降りそう。降らないといえば降らなそう。
今度はニセコの方を見る。山の方はそんなに暗くないし、雨も降ってなさそう。
まっ、とりあえず行ってみるか。ダメなら途中で引き返せばいいんだし。
昨日のように一生懸命ペダルを漕ぐ。が、すぐにバテる。諦めてゆっくり行くことにした。やはり荷物があると上りがキツイのです。
いくつか小さなアップダウンを過ぎ、稲穂峠にさしかかる。勾配はさほでもないが、距離は長そう。しかも向かい風ときたもんだ。
あーあ。ツイてない。上り坂だけでもキツイのに、向かい風って。いきなりのダブルパンチに肩が落ちる。がっくり。
左を見ると「稲穂峠三合目」という看板が。え?わざわざ何合目と書くということは、よっぽど長いのか?それを見て戦意喪失。さらにがっくり。
五合目、六合目となんとか持ちこたえて過ぎていく。というか、最初に何合目まであるか書いてくれる?頑張り具合がわかりませんよ。結局、九合目まで確認できました。はい、死にました。
長い上りが終わり、今度は下りが始まる。しかし、こちらも結構な長さ。というか、上りより長いのでは。初めは気持ちよく下っていたのだが、突然、あることに気がつく。
あれ?帰りはここを上ってくるんだよな。こんな長い坂を。いや、無理。とてもじゃないけど無理。下れば下るほど、その分、上ってこなきゃいけなくなる。
いやー、止めてー。もう下らないでー。
一人、山の中で叫ぶわたしなのであった。
ようやく長い下りが終わると、今度はアップダウンが始まった。ちなみに依然向かい風。もう、けっこう足にきています。二、三キロ走っては休み、また二、三キロ走っては休む。その繰り返し。
倶知安へと通じる最後の峠、倶知安峠を越えて、ようやく街中へ。もう疲労困憊。本気でわたしは思った。「もう今日は走るのやめよう」と。
といってもまだ八時半なんだけどね。でも、もう百キロくらい走った気分。
そういえば、昨日の余市の役場の人、そんなにキツくないとか言ってなかったか?もう、どこがですが。恨みますよー。
しばらく休憩すると、少し走る気力が出てきた。とりあえず役場に行って、ここら辺のおすすめのコースを訊いてみることに。やって来たのはいいけど、走るところはまだ決めてなかったのです。
早速、商工観光課へゴー。しかし、応対してくれたおじさん、わたしにあまり関わりたくないのか、それとも他の仕事で忙しいのか、案外、素っ気無い対応。どうもさっさと終わらせて、早く自分の仕事に取り掛かりたいという雰囲気。
「これも仕事のうちなんだから、もっとしっかりやろうぜ」そんな思いが沸々と沸いてくる。まあ、いつまでもそう思っていても仕方ないので、矢継ぎ早に訊いてさっさと終わらせることにする。
話を聞くと、やはりニセコパノラマラインはアップダウンがキツいからやめておいた方がいいとのこと。そういえば、余市の役場の人も同じことを言ってたっけ。
うーん、よっぽどなのか。そこまで言われたら怖いじゃないの。というわけで止め。そこまでして走りたいわけじゃないしね。なにもわざわざ苦しい思いをする必要もないでしょう。
それじゃあ、羊蹄山の周遊コースは平坦ですかね、と訊くと、
「パノラマラインに比べれば、全然平坦ですよ」さも、当然でしょと言わんばかりの顔で言われた。
なるほど、そうですか。そんじゃ、のんびり走って、そこでお茶を濁すことにするか。なんだかちょっと物足りない気もするが。まあでも、せっかく来たのだから、どっか走っておかないとね。
ついでに、今日上ってきた国道五号線より勾配の緩い道はないか、と訊く。もっと楽な道があったらそこを通って帰ろうと思ったのです。
「道道三百九十九号線もあるけど、そっちはもっとキツイし、中山峠はさらにキツイ。一番楽なのが国道五号線」簡潔極まりない言葉が無表情な顔とともに返ってきた。
ええ!ウッソー!マジ?あれで一番楽なの?どうなってんだ北海道?スゴすぎます。
それにしてもあんな下り坂を今度は上らなければいけないのか。想像するだけでどっと疲れが出てくる。あー、いやだ、いやだ。おら、あんな坂上りたくねぇだ。
ん?でも、ちょっと待てよ。そういえば、来る途中、駅があったなあ。ということは、もしかしたらこの近くにも駅があるのかも。そうなれば電車に自転車を乗せて運ぶ、いわゆる輪行して戻ることができる。というか、それしかないでしょ、今のわたしには。
役場のすぐそばにあった警察署に行って訊いてみると、やっぱりありました!
いやー、よかった、よかった。これでわたくし、どうにか無事に生きて帰れそうです。
輪行も一周線上でしたらありえませんでしたが、そうじゃないんでね。まあ、これくらいはいいでしょ。輪行を試すいい機会でもあるしね。

とりあえず国道五号線を行くことに。しばらくは平坦な道だったが、突如、行く手を遮るように坂が現れた。ちょうど手前にマックスバリューがあったので、そこで買い出しをするついでに、店員にこの先の道の状況を訊いてみる。
「ここからアップダウンってけっこうありますかね」
「いや、そうでもないですよ」
「でも、ほらすぐ目の前に坂があるじゃないですか」
「いや、あれぐらいなもんですよ。あとはあっても一つくらいで」
ホッ。よかった。今日はさんざん坂を上ってきたので、もうこれ以上、上りたくないのですよ。
走ること一時間。
店員のうそつき。たくさんありすぎて嫌になりましたよ。言っていること、いい加減すぎます。なんだか人間不信になりそう。
途中、ニセコの道の駅があったのでそこで休憩することに。
すると、そこには明らかに旅仕様の自転車が停まっていた。旅人捜索開始→発見→確保。矢継ぎ早に質問開始。
なんでも日本一周している大学生で、大阪スタートで四国、九州を周って、日本海沿いを北上して北海道に入ったそうです。
その後も一方的に訊きまくるわたし。多分、彼、最初だいぶ引いていたと思います。いやー、すいません、いろいろな意味でストレスが溜まっていたもんで。
彼と話していて、意見が一致したのが、自転車に乗らない人の話は当てにならないということ。
彼もついこの間、ある道を通るとき、どんな感じが訊いたそうです。すると「坂は一つくらいかな」という答えが返ってきたのだが、実際、行ってみると三つもあったそうです。その時、彼はこう思ったそうです。「一つと言われたら三つあると思え。二つと言われたら六つあると思え」って。まったくもって同感。その気持ち、よーくわかります。
彼は昨日に引き続き、今日もこの道の駅に泊まるそうです。なんだか疲れて走る気しないんですって。
え?そうなの?うーん、そんなこと聞いたら、わたしもここで泊まりたくなってきた。いや、本気に。でも、まだ昼の十二時。ここで切り上げて、じゃあ何するの?ということで結局走ることに。これ、いつものパターンです。
彼曰く、「平坦と言ってても多分アップダウンありますよ」
うーん、そうかなあ?しかし、走り出してすぐに予想的中。いきなり上り坂が。どこが平坦なんじゃ。あの役場のおやじ、殺したろうかー。
まあ、文句を言っていても先に進まないので一生懸命走る。平地でも上りでもあがくあがく。午前中で体力を使い切ったと思っていたのだが、思いのほか頑張りがきいてちょっと驚く。
もしかして、休んで体力が回復したのかも。いや、それもあるかもしれないが、きっと毎日走っているうちに自然と体力がついたんでしょうね。
頑張って走ったご褒美か、なんと喜茂別から京極までの道が二、三キロあろうかという長いダウンヒルだった。
ここ、すごいです。
いやー、爽快感極まりない。道が真っ直ぐなので、ぐんぐんスピードが出る。しかも、周りには遮るものが何もなく三百六十度景色が見渡せる。広々とした大地に山々やたくさんの畑。空はどす黒いとこもあれば、青空が見えて陽が射しているところもある。それが移動する度にどんどん変わっていく。なにかとっても心惹かれるというか神秘的な感じ。結局、羊蹄山は雲がかかっていて麓しか見えなかったが、それでもここに来る価値は十分にあります。
それにしてもこのダウンヒル、逆周りだったらとんでもない上り坂だったわけで。もし、反対側から来ていたら確実に役場のオヤジ、死んでいますね。
ニセコの道の駅から四十キロ弱。そこをおよそ二時間で走った。あんだけアップダウンがあったのにこれはちょっとすごいかも。しかも一生懸命走ったせいか、それほど長くは感じなかった。昨日も思ったけど、結局わたしは一生懸命走るのが好きなんだろうなあ。

喉が渇いたので、行きに寄ったマックスバリューで飲み物を買うことに。レジで会計を済ませようとすると、今朝も見かけたとても笑顔の可愛い娘がそこにはいた。別段、美人というわけではないが、とにかく笑顔が素晴らしくいい。こんな?わたしでもニコっと挨拶してくれます。
ちょっと恥ずかしかったが、思わず笑顔がいいですね、自慢した方がいいですよ、と言う。すると彼女は「ありがとうございます」と恥ずかしそうに、少し顔を赤らめた。
え?ということはあまり言われ慣れていないってこと?うそっ。こんなにいい笑顔なのに。
うーん、こんなことって言われないもんですかね。まあ、言われないか。
買い物を済ませ、駅へと向う。その途中、異常に鼓動が早くなっているのに気がつく。
ありゃ、これって恋?もしかして彼女に惚れたか?うわー、メアドでも渡しておけばよかったよ。激しく後悔。倶知安駅に着いたが、なんだかいてもたってもいられなくなり、気づいたらマックスバリューへ自転車を走らせていた。
この時のわたしの速いこと速いこと。店内に入り、一直線に先ほどのレジへ向かう。でも、いない。うわっ、マジ?
焦るわたし。諦めるか?いや、諦めきれない。見覚えのある店員がいたので訊いてみると、休憩中だという。お願いして呼んできてもらう。われながらすごい行動力。自分で自分を褒めてあげたくなる。しばらくして、さきほどと変わらない笑顔を携えて彼女がやってきた。
北海道一周中であることを告げ、手書きのメアドを渡す。「メールもらえると、残りもがんばれそうな気がします。もしよかったらメール下さい」と、取ってつけたような言葉も添えて。言いながら、断られるかも、と思ったが、予想に反して快く受け取ってもらうことができた。
おお、こりゃ、イケるか?しかも「あとでメールします」との答えが返ってきた。
ええ?マジ?ウソ?本当にしてくれるのか?ちょっと半信半疑。最後に写メを撮って握手してもらった。別れ際、もしよかったら仕事終わってからお話ししませんか、と誘ってみたが、そちらの方はあえなく断られた。これはちょっと欲出しすぎたよう。
駅の近くに電器屋があったので寄ることに。昨晩、単四電池がないことに気付いたので、どこかで買おうと思っていたのです。
さて、その単四電池、あるにはあったのだが、なぜかまったく同じ商品なのに四百八十円と六百八十円の二種類の値札が貼ってある。あれ?これってどっちが正しいのでしょう。というか、その前に間違いを発見したわたしにタダでくれるというのはどうでしょう。そんな図々しいことを思いながら、店員に訊く。しかし、訊かれた店員も理由が分からず、不思議そうな顔。当然、安い方がいいなあと思いながら確認してもらうと六百八十円でした。チェッ。残念。
当初は倶知安かニセコで一泊する予定でしたが、意外と早く目的が達せられたので今日中に余市に戻ることに。
というか、なんだかグズグズしてられないというか、先を急ぎたくなったんです。
輪行、思ったよりスムーズにできました。しかし、なんせ荷物が多い。ザック、フロントバック、寝袋、スポーツバック。これにもれなく自転車がついてきます。
車内でさかんにケータイをいじくるわたし。早く彼女からのメールが来ないかなあと思ってね(照)。ついでにいつもはオフにしてある着信音やバイブもオンにする。というか、どんだけ期待してるんだよっていう話ですが。いや、でも期待しますよね。

午後六時前、余市駅に到着。自転車を組み立て、昨日と同じ宿泊場所の公園へ行く。その後、銭湯へ。
ところで、七時をとうに過ぎているのだが、相変わらず彼女からのメールは来ない。おかしい。思わず首を捻る。たしか五時には仕事が終わると言っていたから、もうとっくに来てもいい頃なのだが。
一分ごとにケータイの液晶画面を見る。それに向かって、「来い!来い!」と念じる。でも、来なーい。
おかしい、おかしい、おかしいよ。なんで?なんでメール来ないの?メールするって言ったのに。なんで?
あーあ、こりゃ無理かもな。これは来ない方向かもな。自分でもはっきり分かるくらいテンションが下がってきた。
でも、冷静に考えてみれば、そうだよなあ。さっき会ったばかりの人、しかも素性も知れない相手にメールしてくるなんて、よっぽどわたしに惹かれたか、それともよっぽどの常識知らずか、そのどちらかでしょう。そして、彼女はそのどっちでもないという。
その後、公園に戻って、夜八時過ぎには寝ていました。そうそう、結局、メール来ませんでしたよ~(泣)。やっぱりな、と思いつつもショックは隠し切れず。がっくし。
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