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北海道一周、自転車で走ったよ!?
2010年夏、苫小牧をスタートしました。さて、結末はいかに? 紀行エッセイです。
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2010年8月14日(土) 思いもよらず胸が痛くなってきた (苫小牧―支笏湖―札幌 108km)
午前七時に目が覚める。最初に頭に浮かんだことは、もう走らなくてもいいということだった。
だよねー。もう走る必要がないんだよねー。ホッとした。というより目標がなくなってしまった寂しさの方が強いかも。
「ゆっくりしていっていいからね」
Sさんは着替えをしながら、寝ぼけまなこのわたしたちに声をかけた。
「Sさんが帰ってきてもまだいたりして」
「いいよ、いいよ。全然構わないよ」
うわっ。冗談で言ったのに。まさかそんな真面目な顔して返されるとは。ズッコケちゃいますよ。
それにしても相変わらずの太っ腹ですね。しかも、わたしたちのためになんと朝食まで作ってくれた。わーお。すごい、すご過ぎます。世の中にはこんなすごい人もいるんですね。いやはや勉強になりました。
仕事に向かうSさんを見送る。今日の天気はどうだろう。外に目をやる。すると窓からはみださんばかりの青空だった。
あーあ。ちょっとガッカリ。
え?なんでかって?だって、わたしがゴールした翌日に快晴でしょ。どうせなら昨日がこんな天気だったらよかったのに。そう思ったのです。
さて、今日はどうしよっか。とりあえずゴールしたのでもう走る必要がないんだよね。
お言葉に甘えて今日一日ここでゆっくりさせてもらおうか、ということも一瞬、頭をよぎったが、やっぱり支笏湖行って美瑛や富良野も走りたいしなあ。それよりなにより、こんないい天気、部屋にいるのはもったいないのです。
出ますか、とりあえず。また、北海道を離れる時に寄らせてもらえばいいし。
ところで、大学院生さんとも今日でお別れ。お互い別れが寂しいのか、スピードを落としダラダラ走ってしまう。そりゃそうだ。なんていったって四日間も一緒にいたんだもん。そんなことを考えていると、急に四日間のことが走馬灯のように頭を駆け巡った。
だったらすごく感動的なのですが、実際はそこまでではないのですよ。あはは。
とはいえ、わたしにとって貴重な四日間であったことは間違いない。だって、四日間も人と一緒に過ごすなんて今までの自分なら考えられなかったこと。北海道一周している間に、わたしも少し変わったのかもしれない。
二人の分岐点が近づいてくる。彼は室蘭へ。わたしは支笏湖へ。それぞれ、今日の目的地へと向かう。遠ざかる彼の姿を見ながら声をかけた。
大学院生さん、どうもありがとう!お元気でー。
支笏湖へ向かう道はゆるやかな上り坂だった。しばらく走ると、思いもよらず胸が痛くなってきた。心の中ではさめざめとした涙が降り続いている。
はーっ。さびしっす。いつかは別れが来るとはわかっていても、やはり別れは辛いもの。それも四日も一緒にいればなおさら。結局、胸の痛みは支笏湖へ着くまで続いた。

なんだかやけに車が多い。そっか、今日は八月十四日。お盆の真っ只中なんですよね。案の定、支笏湖の駐車場に着くと、たくさんの車と観光客で溢れかえっていた。うわっ。一気に観光地に来た感じ。できれば一人静かに回りたいのですが。
とりあえず湖畔をブラブラしてみる。小さいなお子さんを連れた親子連れ、若いカップルに年配のご夫婦。そこでは多種多様な人たちが楽しい時間を過ごしていた。
はーっ。さびしぃよー。人が寂しさを感じるのは、一人でいる時ではない。集団の中へ放り込まれた時に感じるのだ。
あーあ。分かち合える人がいないってこんなに寂しいもんなんですね。それにさっき大学院生さんと別れたばっかり。余計に寂しさが身に滲みてくる。
「支笏湖自然センター」というものがあったので、行ってみることに。入り口の前では、若者男女数人がテーブルの上に置かれたふくろうの羽や鹿の角、たぬきの足の剥製などを手に取り、センターを訪れた人になにやら説明をほどこしていた。わたしも混じり、いろいろ質問してみる。いや、特に訊きたいことがあったわけではないんですが。なんか寂しかったんですよ、誰かと言葉を交わしたかったんですよ。
入り口横の「自然観察ツアー参加者募集」という看板が目に入る。しかも無料。無料であれば、なにがなんでも参加せねばならぬ。すぐそばにいた職員らしき人に訊いてみると、「ちょっと待っていてください」という声とともに、センターの中へ消えていった。
しばらくすると、若い女性二人がわたしの元へやってきた。彼女たちは北海道大学の野鳥サークルに入っている大学生。これから湖周辺を案内してくれるそうです。
ちなみに、こんなに観光客が多いのに参加者はわたし一人だけ。こういうものって、ある程度人数が揃ってから催行されるものだと思っていたのだが一人でもやるんですね。まあ、別にいいんですけど。というより好都合。だって、両手に花じゃないですか。しかも若い女性というのが嬉しい。と一瞬テンションが上がったが、すぐにそれも下がった。というのも彼女たち、よく見たらちょっと残念なルックスだったのです。あーあ、いまいち。なんてわれを省みず思う。
湖畔を歩きながら、鳥や植物の説明を受ける。でも、ここに書けるほど憶えていることがない。前にも書いたと思いますが、わたし、動植物にあまり興味がないのですよ。
じゃあ、なんで参加した?
まあ、そうなんですが。いや、おっしゃる通りなんですが。
だってぇ、寂しかったんだもん。誰かと話をしたかったんだもん。
あっ、そういえば一つだけ思い出した。どうして支笏湖の水はこんなに透き通っているのか?という質問の答えである。
元々、支笏湖は、火山の影響で住んでいるプランクトンの数が少なく、その結果、それをエサにする魚も少ないため、あまり水が汚れることがないそうなのです。
ちなみに夏でも水温が低く、数年前に橋の上から飛び込んだ人が心臓発作で亡くなったそう。
おいおい。まったく、ムチャするよなー。というか、暑いだけなら飛び込まなくてゆっくり水に浸かればよかったという話でしょ。どうせ関西の某プロ野球チームのファンのように周りに囃子たてられ、それでいい気になって飛び込んじゃった。おおかたそんなところでしょう。
ところで、ここでちょっと余談。なんでも最近の北海道大の学生は「おごり慣れ」しているそうです。
え?おごり慣れ?なんですか、それ?
「たとえば、みんなでジャンケンをして一番負けた人が全員分のソフトクリームをおごるんですよ。これ、けっこう楽しいですよ。ちなみに十五人くらいでやった時は、一人で五千円くらい払っていましたね」
五千円!ソフトクリームで五千円!すげえなー、それ。負けた人、えらい高くついちゃったね。
それにしても妙なものが流行っているもんだ。まあでも、わたしもその中にいたらやっちゃうかもなあ。だって大人数だったらまさか自分が負けるとは思わないでしょ。って、きっとそれが命取りになるんでしょうね。
一時間ほどで観察ツアー終了。お二人さん、どうもありがとうございました。あなたたちのおかげで、少しは寂しさを紛らわすことができました(←完全に主旨を間違えている)。
これから湖辺を周って対岸まで走ろうと思います。というのも、ここの湖畔の道路はスカイロードと呼ばれ、なかなかの景色だとガイドブックに書いてあったからなのです。
駐車場に戻って自転車に乗り、一気に坂を下る。下りきったところには、満面の水をたたえた支笏湖が横たわっていた。
おお。こりゃたしかにすごい。道路と湖面の高さがあまり変わらない上、手を伸ばせば浸かれそうな距離に湖があるのだ。まるで湖の上を走っているかのよう、とまでは言わないが、それに近いものが味わえる。しかも、後ろには支笏湖を取り囲むようにそびえ立つ数々の山々。空はどこまでも青い。こりゃいい。路肩が極端に狭いことを除けば、最高のサイクリングコースだ。
対岸に着くと、そのまますぐにUターン。来た道を戻るだけなのだがこれが思いのほかよかった。行きと見える景色が違うため支笏湖の違った顔を目にすることができたのだ。

再びセンターに戻ると、時刻は午後三時半を回っていた。これからは今日の宿泊地である千歳を目指します。目指す、といっても、ただ坂を延々と下っていくだけですが。
さすがに下り坂は早い。四時過ぎには千歳の街中へ入っていた。いろいろ周り、お風呂と寝床の見当をつけ、駅へと向かう。明日は、千歳駅から旭川駅まで輪行して、そこから富良野まで自転車を走らせようという計画なのである。駅員に、旭川行きの始発電車の時刻を訊く。すると、「札幌で乗換えがあるので九時ですね」という答えが返ってきた。
くーっ。九時ですかー。いつも五時出発のわたしにしては手に余るほどの遅い時間。九―五=四。つまり四時間もわたしの中に空白の時間が流れるわけですね。さて、その時間、いったいわたしは何をすればいいのか。うーん、いつものごとくまったく思いつかん。というか、その時間を無駄にするのが嫌なんですよ。
とりあえず札幌で乗換えなんだよね。それがなければ早く行けるんだよね。ということは・・・・・・そっか。札幌から電車に乗ればいいわけだ。それに札幌だったら、早くから電車が動いているだろうし。
しゃあない、札幌まで走りますか。ザックから地図を取り出し、素早く札幌までの距離を目測。うーん、四十キロ強といったところか。四十キロなら頑張って走れば二時間ちょい。
よし、考えても時間が過ぎるだけだ。行くか。札幌方面に向け、とりあえず自転車を漕ぎ出す。時刻は夕方の五時を回っており、すでにあたりは薄暗くなり始めていた。
あんまり遅くならないようにと気合を入れて走る。幸いなことに札幌へと続く国道三十六号線はおおむね下り坂。さっきまでチンタラ走っていたのがウソのようにスピードが出る出る。しかしこの道、とても広く実に走りやすいのだが、その分交通量もハンパない。わたしの横を猛烈なスピードで車がバンバン通っていく。これってかなりコワイ。どのくらいコワイかというと、高速道路のすぐ脇を自転車で走っている、そんな感じなのだ。
札幌に近づくにつれ、車線の多かった道路が徐々に狭く、そして信号も増えていった。走りはじめとは打って変わって走りづらくなる。
夜七時過ぎ、暗くなったのでライトをつける。久しぶり、というか北海道に来て初のナイトクルージングだ。うーん、都会のネオンがよい感じ。しばらく走ると、今度はオレンジに光るタワーが見えてきた。おお!札幌のテレビ塔ではないか!いやー、いいね、いいね、実にいい。札幌に来たという感じがします。
夜のススキノを横に見ながら、前回と同じく札幌駅近くのネットカフェ「自遊空間」に行く。時刻は午後七時半を過ぎていた。
自転車から荷物を降ろし、中に入る。ネットをやりつつ、新聞、雑誌を読んだらもう十二時過ぎ。さすがにそろそろ寝ないといけないと思い、横になり目を瞑る。眠いと思う間もなくあっという間に意識が遠のいていった。
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