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北海道一周、自転車で走ったよ!?
2010年夏、苫小牧をスタートしました。さて、結末はいかに? 紀行エッセイです。
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2010年7月16日(金) おじさん、ふたたび (洞爺湖―森 138km)
起きて空を見る。昨日心配していた天気だが、見てみると曇ってはいるが雨は降っていない。ほっと胸を撫で下ろす。
ところで北海道は陽が上るのが早い。まだ四時前だというのに、もう空は明るくなっている。そういえば夜も七時を回ってもまだ陽が残っているし。夏の北海道は日が長いと聞いていたが、まさかここまでとは。意外とやるんですね、北海道。それにしても北海道でこれなんだから、ヨーロッパの白夜はもっとすごいんだろうなあ。そんなことを思う。こっちも是非一度体験してみたいもんです。
昨日はあまり寝つきがよくなかった。多分、虫が刺していたからだと思う。腕や足がやたらかゆいのである。一応、電気式の蚊取り線香(電池式でファンが回るヤツね)をつけていたのだが、これって効果があるのかしらん。でも、痒いところにつけると虫が寄ってこなくなるような気もするし。うーん、どうなんでしょうか。よーわからん。
出発の準備をしていると、湖の方からバシャバシャと音がしてきた。おや、なんだろう?と思い音のする方に行ってみる。
わーお!すごーい!白鳥じゃん!白鳥!しかも三羽も。そのうち一羽は他の二羽より一回り小さい。ってことは親白鳥と子白鳥なのか?
昨日は馬、そして今日は白鳥。わずか二日でこんなに動物が見れるとは。さすが動物天国北海道。
それにしても白鳥をこんなに間近に見るのは生まれて初めてのこと。ただ見ているだけなのだが、これが実に面白い。長い首を実に器用に使って、くちばしで体のあちこちをこすったり、羽づくろいをしたりしている。見ていてまったく飽きることがない。
そのまましばらく白鳥を眺めていると、犬を連れたおばさんがやってきた。するとすぐに水際に近寄り、慣れた手つきで白鳥にエサをやり始めた。それはまるで近所の野良猫にエサをやるかのよう。ここの人にとって白鳥は猫と同じ扱いなのだろうか。一方、白鳥の方も人慣れしているせいか、まったくおばさんを恐れる気配がない。むしろ、親白鳥なんか子白鳥を守るため岸辺に近寄り、犬を威嚇する始末。それにビビったのか、ワンちゃん、すぐさまおばさんの後ろに逃げ込む。がんばれ!ワンちゃん!と声をかけるが、実はそのワンちゃんの後ろにいるのがわたし。そう、実はわたしが一番ビビッているんですね。情けなー。
しばしおばさんと話す。おばさん曰く、白鳥の体が汚れているのはおそらくジェットスキーから出る油が原因だろうとのこと。なんでも夏の週末、この辺りはたくさんのジェットスキーで溢れかえるそう。へー、そうなんですね。それは知りませんでした。
ところでどうなんでしょう。観光的にはたくさんお客を呼びたいとこなんだろうけど、でも、そのせいで白鳥の体が汚れているとしたらダメだと思うのですが。いっそうのことジェッスキーなんか禁止しちゃえばいいのに。なんて言えるのも、きっとわたしが通りすがりの旅人だからなんでしょうね。だって、たくさんジェットスキーをやる人がいるっていうことは、それだけたくさんのお金を地元に落としていくということでもあるのだし。観光業と自然保護。両立が難しいのはどこも一緒だ。
もう少しおばさんと話をしていたかったが、先を急ぎたいので話を切り上げ東屋に戻る。再び出発の準備にとりかかる。三十分後、準備完了。よし、出発。と、その前に一応タイヤの空気チェック。もし、十分に空気が入っていなかったら入れようと思ったのです。また昨日みたいパンクしたら嫌だしね。早速、指で押して確認。ん?おかしい。なんかやけに指が沈んでいくんですけど。気のせいか・・・・・・、っておい、またパンクしているやないかい!
ウッソー!マジ?なんで?ぐわーん。ぐわーん。とたんに頭がクラクラしてきた。
でも、なんで?おかしい、おかしいよ。だってあそこでパンク修理してから百キロ以上走ってきたんだよ。パンクしてればそんなに走れるわけないでしょ。こりゃきっと何かの間違いだ。そう思い、もう一度指で押してみる。今度はゆっくりと。
ダメでした。思いっきり抜けていました。そう、紛れもないパンクです。
えー!なんで?なんでなの?解せません。いやー、まったく解せません。
だってあそこでパンク修理してから百キロ以上走ってきたんだよ。パンクしてればそんなに走れるわけないでしょ。こりゃきっと何かの間違いだ…・・・って同じセリフいっているやないかい。どうやら頭が混乱しちゃっているみたいです。
あーあ、なんてこったい。でも、なんでなんだろう?まったくわからん。
まあ、でも空気が抜けているっていうことはパンクしているっていうことだし・・・。ということは夜のうちに抜けたっていうこと?でも、仮にそうだとしてもあんだけの距離を走ってこれるもんかね。うーん、まったくわからん。
しかし、ただ一つわかっていることがある。それはこの状況をなんとかしないと走れないということである。
うむ、そうなんだよなあ。原因を探るより、今この現実をなんとかしないといけないのである。
うーん、さてどうしよう。といっても直すしかないのですか。いや、待てよ。またパンクしているっていうことは昨日のパンク修理がちゃんとできていなかったってことでしょ。あー、無理。あれで直っていないとしたらわたしにはもうお手上げ。あれが精一杯。まったくもって直す自信ありません。
しゃーない、奥の手を出すか。実はわたし予備のチューブを持ってきているのです。その数、三本。そう、いつもやっているようにチューブごと交換しちゃおうという作戦なのです。
じゃあ、最初からそれをやっておけばよかったじゃん。なんて言わないで。ちょっとは頑張ったんだからさ。あはは。
というわけで、早速交換。せっかく積んだ荷物を降ろし、自転車をひっくり返してタイヤを外す。タイヤからチューブを引っ張り出し、新しいチューブと交換。よし、これで走れるぞ。
しかし、今回はこれでいいとしても問題はこの先。パンクするごとにチューブを換えるんだったら三本ではものすごく不安。とりあえず札幌あたりでチューブをごっそり買うことにしましょう。それにしてもパンク修理一つできないとは、なんて貧弱なサイクリストなんでしょう。われながら情けない。

時刻は午前六時半。五時には出発予定だったので、少し慌て気味に自転車にまたがる。
ところで、昨日走った洞爺湖一周線からは湖がよく見ることができなかった。畔に立っている木々が邪魔していたのである。というわけで、今日は朝一で洞爺湖の上を走っている国道二百三十号線まで上がり、そこから湖を見たいと思います。
が、いきなり三キロほど続く上り坂で早くも嫌になる。まだ体が目覚めていない中でこの上りはキツイ。七時前だというのにすでに背中は汗びっしょり。
さらに上がりきったところでまたショック。せっかく上ってきたというのに辺りは一面の霧だったのだ。当然湖は見えず。って、おい。この苦労はどうしてくれるのだ。
落ち込んでも仕方ないのでとりあえず走る。途中、洞爺湖から有珠山まで見渡せるというサイロ展望台にも寄ってみたが、霧のすき間からうっすらと湖に浮かぶ島が見えるだけ。くーっ。まったくツイてない。昨日の地球岬といい、この洞爺湖といい、今回の旅は景色の女神から見放されてしまったのか。
サイロ展望台を過ぎしばらく走ると、突如、気持ちのいいダウンヒルが始まった。自転車が路面に突き刺さるように下っていく。恐怖心がないこともないが、このスリルが堪らない。さっきまでの沈んだ気持ちもこれで一気に吹き飛んだ。長いトンネルを二つ抜けると、いよいよ今日一番の大仕事が待っている。長万部へと抜ける峠越えだ。
ちなみに長万部までの距離は四十キロほど。距離的には大したことはないが、問題なのは、その峠のきつさ。一応、地元の峠を走ってそれなりに自信をつけているが、なにせ初めてのところ。こればかりは走ってみなければわからない。地図で見ると、記載されている峠は礼文峠と静狩峠の二つだが、見るとトンネルが九つもある。ということは、それくらいの峠は覚悟していた方がいいだろう。
上り始めると予想していた通りの手応え、歯応え。なかなか一筋縄ではいかない。
一方、下りはいつものように気持ちよかった。しかし、何回も上り下りが続くと、だんだんそれもそう感じなくなってきた。「どうせ、次は上りなんだろう?」先が見えて逆に憂鬱なのだ。
上っては下り、下っては上り。永遠に続くとか思われるほどの繰り返し。「峠はいくつあるのだろう」最初はそう思い数えて走っていたが、あまりの多さとキツさに途中で数えるのをあきらめた。
最後の峠である静狩峠を越えると世界が一変した。眼下には洋々と青い海と緑の草地、それがどこまでも広がっていたのだ。その眺望は筆舌にしがたい。喜び勇んで下っていく。またそのスピード感と景色との素晴らしさとが相まってさらにわたしのアドレナリンの分泌を促していく。
ところでこの区間ではけっこうなサイクリストとすれ違った。中には自転車を押して上っていく人も。わたしは絶対に足をつきたくなかったので頑張って上る。というか半分意地。
長万部までは後十キロ。しかし、これがほんと嫌になるくらいの直線道路だった。走っても走ってもまったく進んでいる気がしないのである。しかも向かい風。あーあ、ツイてない。
長万部の町まであともう少しのところ、道の反対側に一人の自転車ツーリストが停まっているのが目に入った。あれ?この人?どこかで見たような・・・・・・しばし、じーっと目を凝らす。おお、昨日牧場の前で会ったあのおじさんではないか!いやー、びっくり。まさかまたお会いするとは。こんな偶然ってあるんですね。
驚きつつ、車の往来が途切れたところで反対側に渡る。早速声をかけてみる。ねぇねぇ、おじさん、どうしたの?
「いやー、パンクしちゃって」
うわ。マジで?というか、これまた偶然。実はわたしも昨日パンクしたのですよ。ほら、おじさんがわたしを追い抜いていったじゃないですか。ちょうどあの時、パンク修理をしていたのですよ。
しかし、そんなわたしの話もどこか上の空。訊くとおじさん、こんなに荷物を積んでのパンク修理は初めてのこと。やや緊張の面持ち。ちょっと動揺の色もちらほら。
おじさんはバックから替えのチューブを取り出し、空気を入れている。しかし、入れていくそばからその空気が抜けていく。
「もしかしたらパンク修理し終わっていないチューブを持ってきたかも・・・」不安げな顔でおじさんは言う。
修理し終わってないチューブって・・・・・・おい、大丈夫かいな。
「気にしないで先に行ってください」おじさんはわたしに気を遣ってくる。
いやいや、そんなことはできません。困っているおじさんを置いては先には行けません。なんていうのは半分ウソ。とりあえず誰でもいいから話をしたかったんです。やっぱり一人旅は寂しいのですよ。
結局、おじさんは持参したチューブを交換することをあきらめ、パンクしたチューブを修理することにした模様。横でそれを見ることに。パンクした箇所をパッチで塞ぐ。空気を入れる。しかし、なぜか抜けていく。どうやら他にも穴が開いている箇所があるよう。ありゃまー。大丈夫か?なんとかそれを直し、ふたたび空気を入れる。シュ、シュ、シュ、シュ。おじさん、力を入れる。顔は真っ赤。まさにゆでだこ。しかし、そんな頑張りに反して思いのほか空気は入っていかない。おじさん、思わず肩で息。ここでバトンタッチ。わたしが代わりに入れることに。ええ?なにこれ?いやー、入れにくいったらありゃしない。こりゃ、どおりで疲れるわけだ。
おじさんの空気入れ、先端にアダプターがついているのだが、それをバルブにつける際に手を押さえないととれてしまう。ということは、必然的に片手一本でポンプを押すことになってしまう。しかも、もう一つの手はアダプターとバルブをしっかり固定していないといけない。なんで今時こんな面倒くさいのを使っているんだ?なかなか入らないので、イライラしてきたわたしは、自分の空気入れを使うことに。シュッシュッシュッ。ほーら、簡単に入った。それを見ていたおじさん、呆気にとられる。しばらく経ってから、わたしの使っている空気入れの名前を聞いてきた。えーと、これは多くのサイクリストから支持されているトピークのロードモーフというものですよ。フロアポンプのように両手を使うことができるので入れやすいのですよ。ちょっと自慢気に言っておきました。
これで大丈夫。とりあえず入った感じではある。まだ穴が空いてなければね。
なんか微妙なんだよなー。「走り出したら空気が抜けました」なんて可能性もなきにしもあらず。
ここで知り合ったのも何かの縁。ということで、念のため、わたしの替えのチューブを差し上げました(もちろん新品)。
おじさん、えらく感激して、お礼?に自分のブログに載せると言って、わたしの写真を一枚撮っていきました。恥ずかしながらピースサインです。
結局、ここで一時間半も過ごしてしまった。さすがにこれ以上は休んでいられないので、先を急ぐことに。
ところで道すがら思うことが。うーん、どうなんでしょうね。自戒を込めて言いますが、おじさん、もっと装備の点検をしっかりやってから出てくるべきだったのでは。だって、替えのチューブに穴が空いていたとか、空気入れがうまく入れられないとか。そんな状態で遠出するなんてあり得ないでしょ。というか、わたしだったら怖くて来れないですよ。
結局、しっかりやっていないと、他人のお世話になってしまうじゃないですか。もちろん、どんだけ注意していても他人のお世話になることもあるけど、最低限のことはやっておこうよ、そういう話です。とはいえ、わたしだって不備な部分は多々あると思うので、えらそうなことは言えないですけどね。まあ、なんというか、いい勉強になったというか。

面白味のない道が延々と続く。途中、八雲のスーパーで買出し。飲み終わったペットボトルを捨てようと思ったら、ゴミ箱が見当たらなかった。
まっ、いっか。誰も見ていないし。それにここで買い物をしたんだ。これくらいはいいだろう。駐輪所の目立たない場所にそっとペットボトル置いて立ち去ることにした。
しかし、すぐに天罰が下る。走り出してすぐに荷物を縛っていたゴムひもが切れたのだ。あーあ、なんてこった。悪いことってできないもんですね。
百キロ過ぎた辺りから今日の寝床を探しながら走る。が、お風呂の近くに寝場所に使えるような公園ってないもん。結局、今日もお風呂をあきらめ、森の道の駅近くの親水公園の東屋に泊まることにした。しかしここ、どこをどう見ても泊まってはいけない場所。明らかに遊歩道を歩く人のための休憩所といった風情なんです。現に、寝ようとしているわたしのすぐ側をウォーキングしている親子が歩いているし。えーい、しらばっくれておけ。というか、ゴメンナサイ。一泊だけなので許してやってください。
昨日はわりと時間を持て余した感があったので、今日は遅目の出発でも大丈夫かなと思ったが、結局、おじさんパンク事件があったので後半は急ぎがちになった。というわけで、明日はまた早く出ようと思います。明日はいよいよ、函館。明日こそはちゃんとお風呂に入ろうと思います。まったくもって自信はありませんが。
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