北海道一周、自転車で走ったよ!?
2010年夏、苫小牧をスタートしました。さて、結末はいかに? 紀行エッセイです。
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2010年8月7日(土) そんなに食べたきゃ家で食べればいいじゃん (根室―納沙布岬―根室―霧多布岬 143km)
夜中、尿意をもよおし目が覚める。辺りを見渡すと真っ暗。誰もいない。うわー。わたしが寝る時にはあんなにたくさんの人がいたのにー。広々とした公園にポツンと一人。これってかなりコワイ。しかも今日は午後から雨でしょ。何一ついいことが思い浮かばない。あーあ、気が滅入る。こういう時は寝るしかない。いわゆる現実逃避ってヤツですね。
午前四時過ぎ、再び目が覚める。いつもより少し遅いお目覚め。あー、気が乗らない。だって、朝一番に納沙布岬へのアップダウンでしょ。起きる気しないのですよ。
とはいっても、いつまでもここにいるわけにもいかないので準備して出発。
走り出してすぐに思った。全然涼しくないのである。いや、むしろ暑いくらい。道路の電光気温表示板を見ると、二十五度を表示していた。
おい、ウソだろ。「根室は夏でも二十二、三度。いっても二十五度ですよ」たしか昨日行ったドコモショップのスタッフは、そう言っていたはずだが。
チョット、チョット。話が違うじゃないの。まだ早朝なのに、もうその二十五度いっちゃってますぜ、だんな。どうなっているんだ、北海道。どうなっているんだ、根室。今年はほんと異常気象。ひしひしと地球の温暖化を感じる根室の朝なのであった。
まずは納沙布岬へ。納沙布岬はみなさんご存知のよう、北海道で一番東にある場所。最北端の宗谷岬と同様、北海道に来たらとにかく行かなければならないことになっている。
それにしても空は意外にも晴れ。あれ?おかしい。たしか昨日の予報では午前中は曇りで午後から雨が降るはずなのだが。本当にこれで雨降るのかしらん。
ところで景色の方であるが、これが実に素晴らしい。道の両脇に広がる草地がまるで緑の絨毯のよう。海岸線もダイナミックで実に見応えがある。まったく期待していなかっただけに嬉しさ倍増。
一方、道は聞いていたように見事なアップダウン。しかし、これが思ったよりキツくないのである。きっと、この青空と景色の素晴らしさで疲れを感じないのだろう。いやー、実に気持ちいいだべさ。
やや追い風だったこともあって、予想より早い一時間半で納沙布岬に到着。
着いてまず目に入ったのが、「平和の塔」という北海道にしては珍しくヒネリもなにもない白亜の塔。しかし、名前は平凡だが、その姿はなかなか。天空に向かって気持ちよさそうにすくっと立っているのだ。中に入れるのかな?と思い入り口に向かう。すると当然のようにまだ開いてなかった。残念。どうやら九時からのようです。
次に、納沙布岬と書かれてある看板を探す。やはり、それを見ないと来たという実感が湧かない。人にも自慢ができない。
辺りをウロウロ見渡していると、一人の男性がオートバイを写真に収めていた。ん?おかしい。こんなところでオートバイを撮っているのは不自然。もしや看板はそこか?と思い行ってみると、やはりそうでした。
うわー。なんだこりゃ。たったこれだけ?そこには、「本土最東端納沙布岬」と書いてある木の柱が一本立っているだけだった。
うーん、とくに感慨ナッシング。来なくてもよかったかも。まー、いいいんだけどね。こういうのは行ったという記念ですから。
ボーっと柱を眺めていると、すぐそばで女性ライダーが写真を撮っているのが目に入ってきた。
「よかったら柱をバックに写真撮りましょうか?」親切心で声をかけてみる。下心も同じくらいありますが。
写真を撮り終わり、少しおしゃべり。なんでもオートバイで周っていて一番困るのは泊まる場所だそうです。
うーん、やはりそうですか。男性みたいにテント張ってそこらへんで野宿、なんてまずあり得ないでしょうし。ライダーハウスでも女性専用の部屋があればいいんでしょうけどね。なかなかそういったところは少ないみたいですし。そう考えると女性はほんと大変。
ちなみに昨日は「女性だから」と、花咲ガニを買ったお店の事務所で泊まらせてもらったそうです。
おお、そうなんだ。いいですね、なんか旅って感じがして。こういう時ってやっぱり女性って得。
そういえばわたし、そんなことないよなあ。お店でも人の家でもいいから一度泊まってみたいもんです。こうなったら女装でもしてみようかしらん。
納沙布岬を後にし、再び根室の街へと向かう。行きとは逆に今度は向かい風。くーっ。ペダルが重いぜ。
行きよりも少し時間がかかり、一時間四十分で根室市街に到着。
セイコーマートの前で地図を見ていると、車に乗ったおばさんに声をかけられた。おお、車内から声をかけられるなんてはじめてのパターン。これ、ちょっと嬉しいかも。
「暑いでしょ。根室がこんなに暑いなんて珍しいのよ」
やっぱりそうなんだ。なんでも昨日は三十度を越えたそうです。三十度と言えば、三十度である。根室ではめったにないが、夏の内地では当たり前のように記録する気温である。「おれは本当に北海道にいるのか?」そう思ったことを、おそらくわたしは一生忘れないだろう(後で知るのだが、昨日は根室市の観測史上最高気温を記録したそう。どおりで暑いわけですな)。
それにしても、わたしなんか三十度という気温はしょっちゅう経験しているからまだいいけど、こんな暑さに慣れてない根室の人はさぞかし大変でしょうね。くれぐれもお体には気をつけてください。
かくして、わたしにとって根室は暑い街として認識されるのであった。あっ、坂の街でも。

予想外の好天なので、どんどん先へ進むことに。ここからは霧多布岬へ向かう。その距離、およそ七十キロ。ところがこの七十キロ、なんとコンビニもスーパーもまったくないというとてつもなく恐ろしい道を通っていくのである。
そりゃまずい。ということでまずは腹ごしらえ。セイコーマートでわたし定番のカップ焼きそばを食べる。まだ朝の八時ですが。それからっと、飲み物もいつもより多目に買い込みましょうか。
霧多布岬へは、自転車で走るのにはめちゃくちゃ気持ちよさそうな名前の北太平洋シーサイドラインを通って行く。はじめはなんのへんてつもない普通の道だったが、海岸沿いに出て景色が一変した。
わーお。こりゃ、すごい!そこには「これぞ北海道!」という雄大な海岸線が続いていたのだ。しかも、道が断崖の上を通っているため遠くまで海岸線が見渡せる。打ちつける波が実に荒々しい。いやー、豪快な景色。内地では絶対見られないだろうなあ。いたく感動したわたし、しばらく自転車を停めてじっとその景色を見ていた。
充分景色を堪能したので先へと自転車を走らせる。しばらく行くと、おかしいことに気がつく。なんかどんどん岬のある方へと向かっているんですけど。気のせい?じゃないよね。まさかもう霧多布岬?なわけないか。たしかまだ五十キロ以上あるはずだし。と思いつつもそのまま行く。でも、道はわたしの不安を乗っけて更に岬の方へ。おかしい。おかしい。やっぱりおかしい。一気に不安。ちょっと冷や汗も。どうみてもおかしいよなあ、これ。とりあえず一旦、来た道を戻ることに。おかげで十パーセント以上はあろうかという坂を上る羽目に。あーあ、無駄に体力消耗。
少し戻ると、まるでわたしを待ち構えたかのように駐在所が現れた。おお!グッドなタイミング。早速、自転車を停めて中に入る。
「すいませーん」わたしが声をかけると中からクマと見間違うような大柄なお巡りさんが現れた。
「あのー、霧多布岬の方へ行きたいんですけど」
「霧多布岬ね。えーと、そうしたらね、このまま二キロほど戻ってですね……」
あはは。やっぱり間違えてみたいです。
「ちなみに今日はどこまで行くの?」このお巡りさん、わたしに興味を持ったのか言葉を繋いできた。
「えーと、一応霧多布岬まで行く予定です」
「えっ?けっこう遠いよ。アップダウンもあるし。大丈夫かね」
「多分、行ける距離だと思いますけど」
ここで話が終了。と思いきや、このお巡りさん、「もしかしてわたしのこと好きなの?」と思うくらい更にいろいろなことを訊いてくる。
「どこから来たの?」「どういうルートを通ってきたの?」「自転車、パンクしないの?」「ゴールはどこなの?」
しまいには、頼んでもいないのにこの近くで射殺されたというクマの写真まで見せてくれた。
ありがたい。実にありがたい。死んだクマの写真なんて始めて見ましたよ。それはそれでいいのですが、実はお巡りさん、わたしは早く先を行きたいのですよ。なので、そろそろ解放してもらえませんかね?それに、そもそも遠いって言ったのはあなたじゃないですか。ならば余計に早く行かないと。
ん?待てよ。もしかして、これってドサクサに紛れての職務質問ってやつじゃないか?
いや、それはきっと早とちりだ。こんな田舎のお巡りさんがそんな高度なテクニックを使うとは思えない。わかった。きっとヒマなんでしょう。だって周りに家なんてあまりないし。日がな一日のんびり過ごしちゃっているんじゃないの。それに言っちゃあ悪いけど、こんなところで事件なんて起こりそうもないし。まあ、これが推理小説だったらこんなド田舎が殺人事件の舞台になったりするのだけれど(われながら失礼なことを言っていると思う、すいません)。
まー正直、わたしも急いでなければゆっくりお話をしていたいんですけどね。でもね、こんな何もないところ、とっとと早く過ぎたいんですよ(重ね重ね失礼)。
お巡りさんに別れを告げ、ふたたび北太平洋シーサイドラインをひた走る。途中、道は山の中に入ったり海岸に出たりと実に忙しい。正直、木に囲まれた山の中の道はちっとも面白くない。しかし、海沿いはその逆。山の中の汚名を返上するかのように実に素晴らしい景色をわたしに見せてくれる。いやー、ただ走っているだけなのに気持ちいい。ありがたい。こんな景色を見せてくれた神様に思わず頬ずりしたくなる。
アップダウンがなければね。
そう、海沿いということはつまりアップダウンがあるのです。しかも、このアップダウン、そんじゃそこらのやわなアップダウンとは訳が違う。非常に勾配がきついのである。
まー、下りはいいのですよ。最高時速は五十キロ近くにもなるほどスピードが出てとても気持ちいいし。ところがこれが上りになると一変。スピードはあっという間に一桁台に急降下。その差、およそ四十キロ。これがもう笑っちゃうくらいの落差なのです。
正直言えば、はじめはよかったです。上りと下りでこんなにスピード違うんだね、面白いね、なんて楽しむ余裕があった。現に楽しかったしね。ところが、急な坂を下るとまたすぐ急な上り坂。そしてまた急な下り坂。それが続くと、「あー、わかった。どうせ次はまた急な上りなんでしょ」と思っていると、案の定、期待を裏切らない展開。急な上り坂が「そんなの当然でしょ」といった顔で現れる。「もー、また、こいつかよ」さすがに三回続いたところで嫌になった。「もう、ええっちゅうねん、このパターン。いい加減飽きたわ」
そうは言っても、まだ許してくれないんですね、この坂たちは。必死に上りきったと思ったら、また下り坂。先を見るとまた上り坂。さすがにこれを見た時はちょっと発狂しそうになりましたよ。
なるほどね、こうやって精神力と体力がじわじわと奪われていくわけですね。しかもメチャクチャ暑いし。そういえば、午後から雨という予報はどこへいったのでしょう?思いっきり晴れていますが。天気予報、完全に外れましたね。

午後二時過ぎ、霧多布湿原センターに到着。さあってと、今日もなにかいい話聞けるかな。
と、その前にまずは二階に上がってみる。なんでも壁一面の展望ガラスを通して霧多布湿原を見渡すことができるそうなのだ。
おお、さすがに広い。緑の草原みたいなものが果てしなく続いている。しばし雄大な景色に見とれる。
ところで、さっきから固定双眼鏡を覗いている女の子がやけに興奮しているんですけど。お嬢ちゃん、何かいいものでも見えるのかい?
「鶴ですよ、鶴。タンチョウ鶴が二羽いるんですよ」すぐそばにいたお父さんらしき人が教えてくれた。
ええ!マジですか。鶴ですか。鶴っていったら、あの鶴ですよね。あまり鳥には興味がないわたしでも、鶴は別。だって鶴ですよ。都会のゴミ置き場に群がっているカラスなんかとわけが違う。生きているうちに一度見られるかどうか分からない鶴。おー、そんな鶴がまさか本当に見られるとは。是非見たい。というわけで、娘さんが見終わってからわたしも見させてもらうことに。
がぶりつきになって双眼鏡を覗く。しかし前後左右、これでもかと双眼鏡を振り回すがどこにも見当たらない。おい、マジかよ。人を期待させておいて見ることができないなんて、そりゃないぜよ。おーい、鶴ちゃーん、わたしの鶴ちゃーんよー。どこよ。どこなのよー。
すいません、ちょっと興奮してしまいました。
どこをどう見ても見つからないので、お父さんに「あそこですよ」と場所を教えてもらい、ようやく目にすることができた。
おお!すげぇー。マジ鶴だよ。生鶴だよ。つがいの鶴なのか、仲良さそうにダンスなんか踊っちゃっている。うわー。こりゃすげ。胸の高鳴り抑えられません。いやー、すげぇわ、これは。
お父さんに鶴を教えてもらったお礼に納沙布岬をオススメする。ここはなかなかの景色なんですよ。晴れの日は珍しいそうなんで是非行ってみてくださいね。
興奮冷めやらぬまま一階へと降りていく。早速スタッフの女性に霧多布湿原に関していろいろ訊いてみた。さて聞き終わっての感想は?
えーと。どうやらわたし、湿原にはあまり興味がないみたいです。せっかくいろいろ説明してもらったのですが、ほとんど印象に残っておりません。
わずかばかり頭の中に残ったものといえば、「湿原の定義」、それと「ここ霧多布湿原は日本で三番目に大きい湿原(おそらく一番目は釧路湿原だろう、でも二番目がわからん)」、あとは「霧多布湿原がある浜中町では、とれる牛乳のほとんどがハーゲンダッツに使われている」、それくらい。あっ、そうそう。説明してくれた女性スタッフがなかなか可愛かったことも印象に残りましたよ。
これから、本日の最終目的地である霧多布岬へと向かう。橋を渡り、しばらく行くといきなり急な上り坂が現れた。ぎょえー。十パーセントくらいあるんじゃないの、これ。ちょっとビビるが、これを乗り越えないと岬には行けない。足に力を入れ、必死にペダルを漕ぐ。おのれー。このくらいで負けてたまるかー。一瞬足がつりそうになり焦る。が、無事に上ることができた。ふーっ。なんとか気合で乗り切ったぜ。
上に上がると、道は拍子抜けするくらい急に平坦になった。いきなり視界が広がる。遠くには海が見える。どうやらここ岬一帯は高台になっているようだ。「おお!まるでテーブルマウンテンみたいや!」さっき下から見た時のことを思い出す。
くねくねした道を走っていくと白い灯台が見えてきた。鎖状になった柵のところで自転車を停め、辺りをウロウロ。せっかくだから岬の先端まで降りてみようと思い、階段をせっせと下る。でも半分ほどで後悔。遠い上に急階段なのだ。
これまでわたしが行ったほとんどの灯台はすぐ後ろが崖、その先は進めないところが多かった。ところがここは下まで道がずーっと続いている。なんだかフェイントかけられた気分。ところで、どうする。まだ先行く?
行きましょう。せっかくここまで来たんだし。てくてく下り、ようやく岬の先端に到着。そこでは柵の上から下を覗いている人がいた。ここで後ろから驚かしたら面白いだろうなあ。なんてよからぬことを考える。いや、でもここは我慢。さすがにそんなことしちゃいかんだろう。間違って「下へ真っ逆さまに」なんてことになったらシャレにならんし。ぐっとこらえる。が、ダメ。悪魔の囁きが耳元でうるさく響いてくる。限界。意志の弱いわたし、どうも悪い衝動には勝てないらしい。自分でも知らぬ間に「わっ!」と後ろから声をかけていた。
あはは。冗談ですよ。そこまで人は悪くないのです。
しっかし、すごいぞ、この景色。目の前にはネイビブルーの海が果てしなく広がっている。一面に見えるたくさんの小さな白波がまるで魚のうろこのようだ。マジすっげぇー。骨折って来た甲斐があった。

時刻は午後五時前。少し早いがお風呂に入ることに。今日のお風呂はなんとも楽しげな名前の「霧多布温泉ゆうゆ」。そう、「ゆうゆ」といえば岩井由紀子。えーと、知らない人はいいです。
それはともかく、ここのお風呂、メチャクチャ気に入ったぞ。なんといっても休憩所が広いのだ。
お風呂に何を求めるかは人それぞれ違うと思う。たとえば温泉好きの人なら、効能とか泉質とか。でもわたしの場合、そんなことはどうでもいい。まったくこだわらないと言ってもいいくらい。水を沸かしただけのお湯だろうが、地下から湧き出る温泉だろうか、まったくの無関心。要はさっぱりできればいいわけ。極端な話、シャワーでも全然構わない。むしろ、安く済むのならそっちの方がいいくらい。
そもそもわたし、お風呂なんか三十分も入っていないんだもん。マジメな話、「わたしだけ半額でもいいんじゃない?」お金を払うたびにそう思う。
それじゃあ、わたしがお風呂に求めているものは何かって?
いい質問です。
ズバリわたしにとって一番重要なのは、ゆっくりくつろげる休憩所があるかどうか。
寝る時は、寝袋一つなのでどこかリラックスできないんですよぉ。そう、一日の中で心の底からリラックスできる時間がないんですよね。そんなわけで、だいたいお風呂に入る前に訊きますね、休憩所があるのかどうか。それで、もしあるとしたらどのくらの広さなのか。広い座敷でもあれば最高。まあ、ないと言われても結局そこを利用するんですが。要は前もって知っておきたいんですよ。
ところでここの休憩所、今までの中で一番か二番かというくらいにいい。上湧別のところもよかったが、それと双璧をなすくらい。なんていったって広い。その上、なんと番茶と水が飲み放題。こりゃ飲まなきゃ損でしょ。ここぞとばかりに番茶を飲みまくる。
溜まっていた日記をつける。ふと前方のテーブルに目をやると、思わず目が点になった。かなり年配のおじさん三人組が、めんつゆを湯飲み茶碗に注ぎ、袋入りのそばをそこに入れてズルズルとやり出したのだ。
うわー、なんだこりゃ。いくらなんでもやりすぎでしょ。自分の湯飲み茶碗を使ってやるのには文句もないが、無料で貸し出しされているものでやるにはあまりにも見苦し過ぎる。年を取ると恥も外聞もなくなるのか。
それにしても、わざわざこんなところで食べなくてもいいだろうに。そんなに食べたきゃ家で食べればいいじゃん。さすがのわたしでもそこまではマネできません。いや、ちっともマネしたくはないという話です。ほんと見ているこっちが恥ずかしいわ。
あーあ、いやだ、いやだ。あんな年の取り方はしたくないもんです。

日記も書き終わり、七時半になったところで外に出る。昼間とは打って変わって空気がひんやり。辺りはすっかり暗くなっていた。
さて、今日の寝床はどこにしましょうか。と言いつつ、実は明るいうちに三つ、目星をつけておいた。
まず一つ目は、岬近くの展望所の東屋。近くにはトイレもある。周りはだだっ広い原っぱで、すぐ後ろが断崖絶壁。人なんて絶対に来そうにない絶好の寝場所である。と思ったが、あまりの寂しさに逆に眠れそうにない。感覚的には人里離れた山の中という感じなのだ。心細いので、あえなく却下。
二つ目は、温泉の目の前にある廃屋の軒下。お風呂も近いし、「ここにしよう」と最初は思ったが、すぐに無理だとわかった。だって、ちょっと自転車から離れただけでたくさんのカラスがわたしの荷物をつついているんですもん。寝ている時にカラスに襲われたらかなわん。カラスのエサになりたくないので、ここも却下。
結果、消去法で残ったのがバス待合所。無難すぎて面白くないという意見もあるでしょうが、許してやってください。やっぱりわたしだってゆっくり寝たいんですよ。
急な坂を下り、バス待合所へ向かう。盗まれないようにと、一応自転車を中に入れる。ベンチが狭かったので、床にマットを敷いてその上に寝袋を広げて就寝。ケータイを見ると、夜の八時を少し回るという非常にリーズナブルな時間であった。
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