北海道一周、自転車で走ったよ!?
2010年夏、苫小牧をスタートしました。さて、結末はいかに? 紀行エッセイです。
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2010年8月5日(木) 北海道三大がっかり (弟子屈―標津―野付半島―標津 111km)
午前四時二十五分起床。昨晩は足が痒くて一回、目が覚めただけ。後はぐっすり眠れた。さすがコテージ(だから、わたしの思い込みだって)、なかなかの寝心地である。そこらへんの公園とはわけが違う。
さっさと準備して午前五時半過ぎに出発。弟子屈の町に入る時は、随分坂を下った。ということは、今日はその逆で上り坂。えらいキツイんだろうなあと思っていたら、案外そうでもなかった。どうやら体力のある朝なら大丈夫なようです。
三時間ほど走り、中標津に到着。お腹が空いたので、セイコーマートでカップ焼きそばを食べることに。店内に入り、カップ麺コーナーに行く。おお!なんと百八円で七百四十五キロカロリーの焼きそばを発見。カロリーが同じくらいなのにわたしがいつも食べているのより八十円も安い。わーお。こりゃ、もう買うしかないでしょ。しかも同じマルチャン商品だし。わたし、自慢じゃありませんけど週に五回はマルチャンの焼きそば食べてます。これだけ食べているんだから、表彰状の一つも来てもおかしくないと思うのですが。どうですか、マルチャンの関係者。これを見ていたら、是非ご検討を。
さて、味の方はというと・・・・・・。うーん、どうなんでしょう。食べ慣れてないせいか、ちょっとイマイチかも。次からはいつものに戻そうと思います。
焼きそばを食べ終わり、図書館へ向かう。さっき警察署でもらった地図を見たら、ここから案外近かったのです。しかし着いてみてびっくり。開館時間は十時から。ガーン!てっきり九時半からだと思っていたのにー。ちなみに現在の時刻は九時二十分。ということは、あと四十分も待たなきゃいかんのか。ま、しゃーないけどね。それにしても十時開館の図書館って初めてかも。仕方ない、日記でもつけて待つか。相変わらず溜まっているのです。
この図書館は、ホールや市の出張所が入っている文化施設の一画にある。ちょうどホールの前にロビーがあったので、そこのソファに座って日記を書くことに。それにしてもこのソファ、古びてはいるが大きくてフカフカ。しかも色がゴールド。なんだかゴージャス感が漂っているソファである。はっきり言って、わたしみたいな旅行者が座るにはちょっと気が引ける。「ゴメンなさいね」と思いつつ腰を沈めるが、やはり落ち着かない。結局、あまりリラックスできないまま日記を書くことに。
ようやく十時。図書館へ。インターネットが使えることを確認し、ネットコーナーへ直行。まずは音楽を聴く。いやー、やっぱりT.S. Monkの「Candid For Love」はいいね!この流れるような曲の展開、煌びやかな音世界、何度聴いてもテンション上がります。これ、秘かにわたしのテーマソングにしております。
続いて、金丸くんのブログを読む。うーん、さすがですな。
金丸くんはただ日本を周っているだけじゃないんだよね。ただ自転車に乗っているだけじゃないんだよね。食に関することをテーマにいろいろな体験をしている。
それにひきかえわたしは・・・・・・。うーん、中味・・・・・・ないよなあ。というか、旅とは言えないね、これは。ただ自転車で走っているだけもんなあ。
まー、でも、これでいいっちゃいいんだけどね。だって、元々の目的が自転車で北海道を一周することなんだから。でも、そうは思うのだが、自分の中に違和感があるのもまた事実。
はーっ。ため息、出るよねぇ。
金丸くんに出会ってから、自分の中でどんどん疑問が沸いてきている。本当にこれでいいのだろうか。本当にこんな風に走っていていいのだろうか。もしかして自分は重大な間違いを犯しているんじゃないだろうか。
でも、そうは思ってみても、じゃあ、自分はいったい何をすればいいわけ?どんな風に走ればいいわけ?金丸くんみたいに何か好きなことがあれば別だけど、自分の場合は・・・・・うーん、まったく思い浮かばない。
正直、なにか焦ってきている。金丸くんに限らず他の旅行者だってわたしが単に走っているだけの間にどんどん実のある経験をしているはず。なのに自分は・・・・・・時間を無駄にしてるよなあ。まあ、焦っても仕方ないんだけどね。
とりあえず野付半島のネイチャーセンターに行って話でも訊こうか。そうやって自分の興味を持ったことをやっていくしかないのではないだろうか。とりあえずそういう結論に至った。

図書館を出ると、朝とは打って変わっての青空。ギラギラした太陽が、わたしになんの断りもなく降り注いでくる。今日も暑い一日になりそうだ。
さて、これから野付半島に向かおうと思います。なんでもそこには立ち枯れしたトドマツやナラの木がたくさんあり、珍しい景観を作っているそうなのです。
しばらく走ると、道路に電光気温表示板が立っていた。暑いなー、と思い見てみると二十七度。うわっ。これ、やっぱり暑いよね、北海道にしてはさ。でも、東京って三十七度くらいあるんでしょ。みなさん、一体どうやって過ごしているんでしょうか。死人とか出てないんでしょうか。
そこからさらに走ると、野付半島に出た。突如、潮の香りとともに風が吹いてくる。うーん、ひんやりして実に気持ちいい。いや、むしろちょっと寒いかも。
周りを見渡せば、左手には海、その向こうには国後島。相変わらず大きいのね、国後島。今度は右手に視線をずらす。こちらにも海。その向こうには、わたしが今まで走ってきた北海道本土が横たわっている。あー、でっかいね、北海道。
こんな景色、なかなかお目にかかれないだろうなあ。ほんとおれって、いい経験してるよなあ。いいんですかね、こんないい思いしちゃって。軽く罪悪感を覚えるわたし。こう見えても根は小心者なのです。
途中、展望所があったので寄ってみる。
「この先行っても、見るものなーんもないよ。景色も普通だし。ただ枯れた木があるだけだよ」一人のおばさんが、行くだけ損だよ、といった顔で、ボーっと地図を眺めていたわたしに声をかけてきた。
ええっ。そうなんですか。マジですか。というかわたし、これから行くんですけど。
あーあ、聞くんじゃなかった。
と思う一方、やはりという思いもあった。というのは、先日羅臼で出会った徒歩青年、彼も野付半島について話していた時、声のトーンが下がっていたのである。
うーん、どうしようかねえ。せっかく行ってたいしたことなかったら馬鹿みたいだしなあ。でも、ここまで来たんだし、引き返すのもなあ。それに、ひょっとしたら案外いいところなのかもしれないし。
まあ、いっか。たいしたことないんだったら、それはそれでしょうがない。でも、それも行ってみなければ分からない。行かない後悔よりは、行っての後悔だ。よし、たいしたことないことを経験にしに行こう。
いつになく決意を固めたわたし。というか、そうでも思わないと一歩も先に進めないのですよ。
なんとか自分を奮い立たせ、自転車を走らせると、「行かない方がいいよ」といった感じで向かい風がわたしに当たってくる。あらら。やっぱり行かない方がいいわけ?
向かい風に苦戦しながら、ようやく「野付半島ネイチャーセンター」らしき建物が見えてきた。それにしても、なんかやけに人が多いんですけど。どうしたの、これ?だってここ、言っちゃあ悪いけど、ガイドブックにもちっちゃくしか取り上げられていない、言ってみればマイナーな観光地だよ。なのになんでこんなにたくさんの観光客がいるの?しかも大型バスも何台も停まっているし。
近づいてみて謎が解けた。高校生と思しき集団がわんさかいたのです。なるほど、そういうわけですか。これ、きっと野外学習の一環かなんかなんでしょうね。
うーん、それにしても嫌な時に当たっちゃったなぁ。だって高校生でしょ。どうせ、「かったるいよー。マジやる気ないんだけど」なんて言って歩き回るに決まっています。自分の高校時代を振り返ればそんなの手に取るようにわかります。そんなのと一緒にいたら、落ち着いて周れやしない。というわけで、彼らとはしっかり距離をとっておこうと思います。

ネイチャーセンターの中に入る。一階はわたしにはどうでもいい売店。チラッと目をやっただけで二階へ。上がってみると、そこには野付半島の自然や動植物に関するものが展示してあった。
部屋の中に射し込んでくる陽光や山吹色したウッド調の壁が、ほのぼのとした雰囲気を醸し出して、なかなかいい感じ。いやー、和みますなあ。
でも、ここって、どちらかといえば小さい子供向きじゃない?それによく考えれば、わたし、動植物にあんまり興味ないし。ここ、わたしのような人間が来る場所じゃないんじゃないの?そんな疑問を抱きつつとりあえず周ってみることに。
まずは、大小様々な鹿の角が展示してあるコーナーへ。角のそばに「手にとってみてください」という文字があったので、早速一番大きいものを手にとってみる。
うわ!おもっ。実際持ってみると、これ、中に鉛でも入っているんじゃないの?と思うくらいズッシリとした重量感なのである。片手でラクラク持てると思っていたわたし、危うく落っことしそうになりましたよ。
あれやこれやと触っていると、小さい女の子がわたしの横に来てなにか思いつめたようにじっと鹿の角を見ていた。触れてみたいけど、触れるのが怖い、そんな感じだった。
「これ、重いよ。ちょっと持ってごらん」わたしが女の子に声をかけると、彼女はわたしの声に押されるように一番重い角を手に持った。その瞬間、予想通りガクンと腕を下に落としていた。
あはは。でしょ。思ったより重いでしょ。わたしも驚いたんですよ。
ところでみなさん、鹿と牛の角の違いってわかります?
そもそも二つの角には決定的な違いがある。鹿の角は皮膚の一部が変化してできたものなのだが、牛の角は骨の一部が変化してできたもの。そのため、鹿の角は毎年生え変わるのだが、牛の角は生えたら一生そのままなんだそうです。
へー。そうだったんですか。これも知りませんでした。それにしても自分が知らないことを知るって気持ちいいもんですね。なんだか自分の頭に一つ知識が蓄積されていく感じがよいです。ちょっと自分がパワーアップした感じがします。
他にもいろいろ面白いことがあったが、中でも一番面白かったのが、鹿は角がない時には臆病になり、角が生えると逆に攻撃的になるということ。あはは。これ、人間と同じじゃん。たとえていうなら、刃物を持つと急に強気になるとダメなチンピラとか。あるいは核兵器を持って無理難題を通そうとする北朝鮮とか。さしずめそんなところか。
横に移動すると、ラムサール条約についての説明パネルがあった。
ん?ラムサール条約?聞いたことはあるが詳しくは知らない。
ラムサール条約は、日本では「特に水鳥の生育地として国際的に重要な湿地に関する条約」とされている。ちなみにこの条約が作成された場所がイランのラムサールという町。というわけで、日本では通称ラムサール条約と呼ばれている。
とまあ、見事なくらいパネルの丸読み。
ちなみに日本では三十七箇所が認定されているそうです。へー、意外と多いんですね。こういうところに来なきゃ、一生知ることもなかったかもしれない。そう思うとなんか得した気分。
続いて鳥の写真を何枚か見て終了。これにて二階の展示物は一通り見たことに。
さて、どうしよう。もうすることないんですけど。手持ちぶさたになり周りを見渡す。するとカウンターの横に一冊のノートが置いてあるのが目に入ってきた。いわゆる観光客用の感想ノートらしい。なんの気なしに手にとって中を見てみる。
「来てよかったです!」「今日は雲っていたので、今度は晴れた時に来たいです」「二十年振りに来ましたが、枯れ木が少なくなっていたので、がっかりしました」様々な感想がそこには書かれてあった。更にページをめくる。
ギャハハハ。なにこれ、面白すぎでしょ。
そこにはアンパンマンのキャラクターたちが何ページにもわたって、落書きされていたのである。アンパンマンはもちろん、食パンマン、ジャムおじさん、メロンパンナちゃん、ドキンちゃん、もちろん宿敵バイキンマンも。まさにオールスターキャスト勢揃い。
それにしても、人が真剣に読んでいたらいきなりアンパンマンかよ。しかも、これがまた下手くそなんだなあ。幼稚園児くらいの子供が描いたのだろうか。
まさかこんなところにアンパンマンの絵が出てくるとは予想もしていなかった。だって野付半島とアンパンマン、どうみても関係ないでしょ。それを考えていたらまたしても笑いがこみ上げてきた。
「これ、面白いですね!」あまりにもおかしかったわたし、いつの間にか、横にいた女性スタッフに話しかけていた。
すると、それをきっかけに(というのも情けない話だが)どんどん話が広がっていき、いろいろな話を聞くことができた。
そもそも野付半島は周りの海流によって運ばれた砂によってできた半島なのだが、最近では海面の上昇や近隣の漁港が設置した消波ブロックの影響で海流の方向が変わってしまい、年平均一・五センチで地盤沈下が進んでいるそうなのです。
しかも、ここ周辺は世界三大漁業(出たー!ここでも世界三大ナントカ)の一つと言われるほど漁獲量が多い場所、このまま地盤沈下が進めば、植生だけではなく漁獲量にも影響を与え、非常に深刻な問題になるそうです。
へー、そうなんですねー。今までそんなこと考えたこともみなかった。ちょっとした環境の変化で様々なところに問題が出てくるんですね。なにかとても深い話が聞けた、そんな気がした。
ここでちょっと余談。このスタッフ、北海道出身ではなく埼玉県出身だそうです。それだけならなんてこともないのだけれど、なんと以前わたしが住んでいたのと同じ市の出身だそうです。
わーお。さすがにこれには驚いた。しかも住んでいた時期が少しだぶっていましたよ。もしかして、どこかで会ってたかもね。しばし、地元ネタで盛り上がる。これ、今日一番の盛り上がり。
それにしても、スタッフの方に出身地を訊いてしまうわたし。アンパンマンを描く子どもと大差ないじゃん。
するっていうと、なにかい、わたしは幼稚園児レベルってことかい。とくに反論はありませんが。

せっかくここまで来たので、トドワラの枯れ木を見に行くことに。たいしたことないらしいですけど。
人が一人やっと通れる遊歩道を二十分ほど歩いていくと、水辺に白い枯れた木が見えてきた。
うわー。ほんとたいしたことない。というか、枯れ木自体の数が少ないのです。たくさんあってこその奇観なのに、少なかったら単なる枯れ木以外のなにものでもないのです。あーあ、来るんじゃなかったかも。
ネイチャーセンターに戻り、半ば抗議まがいに女性スタッフに言う。
「ガイドブックの写真と違って、全然少なかったですよ」
それを聞いた女性スタッフは眉をハの字にして答えた。
「そうなんですよね。わたしたちも現在の写真を送っているんですが、なかなかそれを採用してもらってないみたいなのです。そういえば、以前来られた観光客の方もやはり枯れ木の少なさに、『まったくもう。北海道三大がっかりの一つだよ』とおっしゃっていましたね」
その気持ち、よーくわかります。だって、わたしもがっかりしましたもん。
というか、出たー!またまた三大ナントカ。誰か名づけたか、「北海道三大がっかり」。そんなのはじめて聞きましたよ。
ところで、残りの二つはなんなんでしょう?どうでもいいこととはいえ、すごーく気になります。知っている方いらっしゃいましたら是非ご一報を。
そういえば、トドワラを見た帰り、会う人会う人に「トドワラどうでした?」「見る価値あります?」と訊かれましたっけ。どうやら北海道三大がっかり、しっかり浸透しているようです。

ネイチャーセンターを後にし、来た道をUターン。標津の街へと向かう。
今日の寝床は、羅臼で出会った徒歩青年が教えてくれた森林公園。と思ったのだが、走っている途中にバス待合所を見つけたのでそこに変更。中に入ってみたらそこそこキレイ。
近くにあるお風呂に入り、バス待合所への道を戻る。いやー、それにしても涼しい。いや、涼しいというより、寒いぜよ、これは。本当に内地では猛暑日なのか。ここにいる感じではまったく信じられないだけど。あまりに寒いので、「よかったらその暑さ、こっちにも分けてくれないか」、半分本気でそう思った。
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