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北海道一周、自転車で走ったよ!?
2010年夏、苫小牧をスタートしました。さて、結末はいかに? 紀行エッセイです。
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2010年8月1日(日) はじめての停滞 (ウトロ 3km)
午前四時起床。くそーっ。あんまり眠れなかったー。虫の襲撃がすごかったのです。
あーあ、さすがに二日連続の虫刺されはキツイ。その上、昨日の疲れが取れていないのか、やけに体がだるい。
ひげを剃ろうと電気シェーバーを取り出す。しかし、なぜか充電切れを起こしていた。あれ?おかしい?昨日ちゃんと充電したはずなのだが。バックに入れている間に勝手に作動していたのだろうか。
まぁ、剃れないものは仕方ない。一日くらい剃らなくても大丈夫でしょう。なにもかしこまった場所にいくわけでもないし。きれいな女性に会うなら別ですが。
今日はカムイワッカへ行く予定。
ところが、五時過ぎ雨が降ってきた。
あーあ、予報的中。どうしましょ。といっても、こんな雨の中では行きたくない。
仕方ない、ちょっと様子を見るか。というか、なんか疲れて動きたくない。
しばらくして雨が上がる。よし、と思ったが、またすぐに降りだしそうな空模様。
うーん、さすがにカムイワッカへ行くのは危険かも。途中で降ってきたら嫌だしなあ。
というわけで、再び様子を見ることに。その間、すぐ近くにある巨岩で有名なオロンコ岩へ行く。なんでもここはちょっとした観光スポットで、二百段ほど続く急な階段を上れば岩の上に行けるらしい。
階段を登る。うわー、キツイ、キツイ。普通の状態ならたいしたことないんだろうが、あいにく昨日の坂で脚が筋肉痛なのです。一段上がるごとに、太腿がワーワー悲鳴を上げてくる。いやいや、そんなに叫ばなくてもわたしが一番わかってるつーの。ほんと誰かにこの筋肉痛を分けてあげたいくらい。というか、全部持っていって欲しい。結局、最後は膝に手をついて上る羽目に。情けなー。でも、登った甲斐があって見渡す景色はまずまずでした。
下へ降りると、またしても雨が降ってきた。やはり様子を見て正解。
当面することもないので、道の駅のベンチに腰かけて日記をつける。しばらくすると、一人のおじさんが声をかけてきた。そのまま二人でおしゃべり。北海道では、これを持っていけば無料で温泉に入れる『ほっ』という雑誌があるらしい。一冊、五百八十円だそうです。
今までの経験上、北海道の温泉の平均料金は五百円くらい。となると、一回、少なくとも二回入れば元が取れる計算。それが三回、四回も入れば確実にお金が節約できる。こりゃいいこと聞いた。ちなみにこの雑誌、コンビニでよく売っているそうです。よし、後で探しに行くことにしよう。
外を見ると、さっきまで降っていた雨が上がっていた。ほんと落ち着きのない天気。
それにしても眠い。あまりに眠気が差してくるため近くの公園へ移動し、ベンチにマットを敷いて寝ることに。しばらくすると、パラパラと雨が落ちてきた。おいおい、マジかよ。まあ、いいや、どうせ小雨、すぐに上がるだろう。そう思い、無視して寝ていたが、やっぱりダメ。次第に雨粒が大きくなってきた。急いでマットをたたみ、道の駅へ退散。どうやら今日は降ったり止んだりの天気になりそう。
結論。カムイワッカ行きは止め。どうせこんな天気で行っても楽しめないだろうし。今日は一日ここにいます。北海道初の停滞なのです。

さて、これからどうやって過ごそうか。今まで走ることしかしていなかったわたし。先に進むことしか考えていなかったわたし。どうしていいのかわからない。時間の使い方がわからない。
はーっ。どうしよう。なんだか焦る。いつもならとっくに走っている時間なのに。ちなみに現在の時刻は八時過ぎ。この時間ならすでに五十キロは走っているだろう。
いいんですかね、こんなにのんびり休んじゃって。まー、といってもどうしようもないんですけどね。カムイワッカには行かないわけだし。
そうなると、何かやることを探さないといけない。まー、いけないってこともないですが。でも、今一番やりたいことといえば、カムイワッカに行くこと。それ以外はないのです。
うーん、こうなるとわたしという人間は実に危うい。今まで北海道一周することしか頭になかった。それしか目指してこなかった。それなのに、突然それが取り上げられると途端におろおろしてしまう。パニくってしまう。これなら走っている方がよっぽど楽。何もしていないと、なんだか自分は損しているんじゃないか、時間を無駄にしてしまっているのではないか、そう思ってしまう。おそらくそんなことはないんですけどね。
ただ単に結果を出す、目標に向かう、そんなことだけが大事じゃない。北海道を一周するという目標だけがすべてではない。きっと大事なことは他にもあるはず。そんな気はするのだが、じゃあ、具体的に何が大事か。そう訊かれれば、それに答える自信がない。なんとなくは分かっているのだろうが、それが明確な形になって見えてこない。
はーっ。またしても迷路に迷いこんでしまった。
うーん、「自分にとって本当は何が大切なのか」、そのあたりを今一度深く考えてみる必要がありますね、わたしの場合。
さーてと、どうしましょうかね。結局、これといった答えがでないまま虚しく時間だけが過ぎていく。まあ、こういったことって、すぐに答えがでるわけじゃないしね。やっぱりある程度熟成する時間が必要だと思うのです。
しばらくボーっとしてみる。外は依然として雨が降り続いている。
・・・・・・そうだ。早目にお風呂に行って休憩所でくつろぐというのはどうだろう。そこで本を読んだり、日記を書いたり、飽きたらゴロゴロすればいい。おお、考えただけでリラックスできそう。でも、何時から開いているのかわからない。よし、後で訊きに行こう。
その後、おじさんに教えてもらった『ほっ』を探しにコンビニへ行く。が、どこにも置いてない。残念。別のところに行ったら探してみよう。

午前八時半、開館時間になったので道の駅や世界遺産センターをぶらつく。一通り見終わり、また元のベンチに戻ってきた。
さて、なにするか。相変わらずまったく思いつかないわたしなのである。
そういえば、自転車のブレーキーシューってまだ大丈夫かなあ、今までまったく気にしていなかったけど。早速、前後のブレーキシューを確認。
うわっ。びっくり。後ろがかなり減っているのだ。北海道に来る直前、新品に換えてきたのにもうここまで減っているのか。まったくの予想外。しかも減り方がアンバラス。つまり「片効き」の状態。一応、均等になる調整の仕方があるのだが、詳しくは知らない。片効きだからといってもさほど問題はないので覚えてこなかったのである。かといってこのまま走ると、片方だけが極端に減っちゃうわけですよね。それはちょっとマズイか。
そうだ。左右を入れ替えるっていうのはどうだろう。そうしておけばそのうち減り方も均等になるはず。うん、われながらいいアイディア。
というわけで、入れ替えることに。そうなんです。このくらいはできるのです。ついでタイヤの減りも見てみることに。
わーお。一目見て減っていることが丸分かり。とくに後ろタイヤが。ということは、かなり走ったのか。サイコンを見る。なんと北海道に来てから二千キロオーバー。うわー、こりゃ北海道にいる間に三千キロはいくかも。
それにしても自転車をイジっていると声をかけてくる人が多い。
ところが、最初に声かけてきたおじさん、わたしが作業に熱中していたためまともに相手をすることができなかった。うーん、悪いことをしたかなあ。ちゃんと話を聞いてあげればよかったとちょっと後悔。
しばらくすると、別のおじさんが声をかけてきた。さっきのことがあったので、今度はちゃんと相手をすることに。
外見で目を引いたのが白いモジャモジャ頭。俳優の石立鉄男(すでにお亡くなりになっております。合掌)にクリソツです。なんでもこの石立おじさん(勝手に命名)、毎年夏になると、自宅のある京都から北海道に来ているそう。年齢を訊くと、もうすぐ八十に手が届くとのこと。見えねー。いや、実に若々しいのです。七十といっても充分通用する。
ところで驚いたのが、その走行距離。なんと昨日は斜里からウトロに移動しただけという。
みじかっ。斜里からウトロなんて四十キロしかないよ。っていうか、おじさん、車なんでしょ。なんでたったの四十キロしか移動してないの。自転車のわたしより動いてないってどういうわけ。しかも明日は羅臼までの予定だそうです。おいおい、羅臼っていったら三十キロもないじゃん。いいの?そんなに短くていいの?
「いいんだよ、涼みに来ているんだからそんなに動かなくても。もう北海道はいろんなところ周っちゃったから、特に行きたいところなんてないの」さも当然でしょ、の顔で言われた。
なるほどね。そう言われてみればそうかもね。まあ、ガソリン代もかからないし。いいかもね。
次に話しかけてきたのは、日焼けした肌が印象的な小柄な男性。なんでもヨットで日本一周しているという。わーお。ヨットで日本一周ですか。こりゃまたスケールがでかいですね。ちなみに年齢は六十歳。しかし、こちらもそうは見えないほど若々しい。うーん、旅は人を若くする作用があるのか。
それにしても、この人、実にいろいろなことをやっている。アジアを中心にしたバックパッカー、国内外での山登り、自転車の旅、沖縄の離島巡り。これだけやっているせいか、実にいろいろなことに詳しい。まったく話についていけないわたし。なので、ここで書けることナシ。すいません、よく覚えてないんですよ。
まだまだ訪問者はやって来る。次に声をかけてきたのは、東京の八王子から来たという定年過ぎたばかりのおじさん。おお、八王子ですか。わたしも昔住んでいたことがありますよ。というわけで、少し八王子話で盛り上がる。この方もわたしと同じく北海道を一周しているそうなのだが、ホテルや旅館泊まりなので、どうしてわたしとこんなに違うの?と思うくらい実に荷物が少ない。おまけにロードバイクなので一日に進む距離が長い。これはちょっと羨ましいかも。
最後は斜里の道の駅で会った大学生。再びのご登場です。
えーと、この方は金丸くんとは別の人。金丸くんと話していたら道の駅で会ったのです。ところで彼からカムイワッカの情報を頂いた。なんでもサンダルで登ることは禁止。その場合は靴下でないとダメらしい。おお、そうですか。サンダル履きのわたし、明日は忘れずに靴下持参で行きましょう。
そんなこんなで時刻は午後三時。なんの前触れもなく、いきなり雨脚が強くなってきた。これで本当に明日晴れるんかい。けっこう降ってますよー。
そんな中、稚内で一緒だった少年からメールが入った。なんとこちらに向かっているとのこと。しかもアメリカさんも一緒らしい。おお!マジかい!
それにしてもいったいあれからどこで合流したのか。まあ、それよりなにより久しぶりに二人の顔が見られそうだ。
ここでまた、しばし物思いに耽る。昨日会った金丸くんの話を聞いてから、自分の中で走るというモチベーションが下がってきている。それは間違いない。
自問自答。そんなに早く走ってどうすんの?そんなに急いでどうすんの?そんなにキツキツにスケジュールを組んでどうすんの?中身の方が大事じゃないの?内なる声が聞こえてくる。

うー、ブルブル。さみー。昼は蒸し暑くてしかたなかったのに。ほんと、なんちゅう天気じゃ。
少年たちはまだか、と思い待っていると、午後五時半、ようやく少年が姿を現した。よっ、久しぶり!嬉しさのあまり、わたしたちはお互い駆け寄ってハシっと抱き合った。
なんて、さすがにそこまではしないが、嬉しかったのはホント。あれ?そういえばアメリカさんの姿が見えないけど。どうした?
少年によると、宗谷岬でアメリカさんと会い、さっきまでずっと一緒に行動していたという。で、斜里でお互いそれぞれ買い物があったのでそれを済ませ、後で落ち合うことにしたのだが、なぜかアメリカさんが来ない。仕方なく少年だけ先に来た、とのこと。
うーん、アメリカさん、どうしたのだろう。ちょっと心配。というわけで、少年が彼に電話。そこで、ようやく状況がわかった。
なんとアメリカさん、海岸線を走らず、どんどん山の方へ向かい、ついには根北峠まで越えて、なんとオホーツク海側の野付半島まで行ってしまったという。
感嘆&爆笑!
まず普通の人なら峠にさしかかった時点でおかしいと気づくはず(というか、その前に走っていて海が見えない、そこでまずおかしいと思うのでは)。でも、なまじ脚力があるもんだから(彼はトライアスリート)先へ進んでしまった、概ねそんなところだろう。それにしても一気に反対側まで行ってしまうとは、なんと大胆なショートカット。さすがはアメリカ人、体を張ったギャグに脱帽です。
そのまま少年と話を続ける。しばらくすると、石立おじさんがやって来て、「これで風呂でも入れや」と、唐突に、わたしたちの前に千円札を差し出した。
え?なんで?なんでくれるの?もしかしてお小遣いってこと?それにしてもおじさん、そんなキャラだっけ?いや、さっきは自分のことばかり話していたので、てっきり他人のことはおかまいなしの人だと思っていたのです。
少年はしきりに遠慮していた。まあ、そうでしょうね、普通は。でも、基本的にわたしはこういった申し出は断らないことにしている。だって、こういうのは気持ちでしょ。断るっていうのは、その人の気持ちを無にするのと同じ。そんな失礼なこと、わたしにはできません。なんていって、お金、欲しいし。
早速、その千円札を持って道の駅の前にあるホテルへ。ここのお風呂は八百円と高いが、さすがにこの雨の中、昨日のお風呂まで走る気はしないのです。
ロビーに入って後ろを振り返ると、きれいな夕焼け雲が広がっていた。それを見た従業員が言った。「明日は晴れますよ」
そっか、晴れか。よし、明日こそはカムイワッカへ行こう。それにしてもきれいだなあ。雲がピンク色に染まっていく様はまことに絵になる。
お風呂から上がり道の駅へ戻ると、すでに少年は眠りについていた。二日連続ウトロの道の駅で宿泊。ベンチに寝袋を敷き、その上に横になる。しばらくして、どこからともなく涼しい風が吹いてきた。
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