北海道一周、自転車で走ったよ!?
2010年夏、苫小牧をスタートしました。さて、結末はいかに? 紀行エッセイです。
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2010年7月25日(日) 海をお風呂代わりにして (札幌―留萌 140km)
朝、目を覚ます。カーゴパンツのポケットからケータイを取り出し、現在の時刻を確認。
わっ!四時二十分かよ。くーっ。四時には起きようと思っていたのにー。
ここ二日間でたいぶ体力も回復したと思うので、今日は早目に出発していっぱい走るつもりだったのです。
ところで、周りがやけに騒がしい・・・・・何事?音のする方へじっと耳を澄ませてみる。
カキーン・・・・・カキーン。
え?もしかしてこれ、金属バットの音?なに?こんな朝っぱらから野球?ウソだろ?だってまだ朝の四時半前だぜ。慌てて、音のする方を見てみると、やっぱりやってましたよ、野球。おお。相当な早起きを自認しているわたしでも、これにはびっくり。やりますな、北海道のみなさんも。
それにしても、昨日はあんな多くの人の中で寝るとは。これでわたしも少しは度胸がついたか?
さて、二日間いた札幌とも今日でお別れ。果たしてわが人生の中で、今後来ることはあるのでしょうか。
遅く起きたのを取り戻すかのように手際よく準備を済ませ、五時過ぎには出発。よし、今日はいっぱい走るぞいと。
走り出してすぐに広い道路に出た。まだ、早朝。しかも今日は日曜日ということもあって、ほとんど車は走っていない。
こりゃ、飛ばせるぜー、と思い、必死にペダルを漕ぐ。しかも飽きるくらいずっと続く直線。実に走っていて気持ちいい。初日に走った苫小牧を思い出す。
石狩を抜けると、海岸線に出た。ということは・・・・・そう、アップダウンの始まりです。誠に残念ではありますが。
しかし、このアップダウン、さほど細かく刻んでいないため、わりとゆったりとした気分で走れる。とはいえ、上りはキツイこと間違いない。途中、山の方に道が向うと、やっぱり急な坂。
相変わらず坂はキツイが、その一方、天候は素晴らしい。空は見事に晴れ渡っているし、日差しはそれほど強くない。おまけに吹いてくる風は涼しいときたもんだ。
いやー、なんか悪いねー、内地の方々。だって聞くところによると、そっちは連日、真夏日、猛暑日のオンパレードという話じゃない。それに比べて、こっちはいいですよ。涼しくて。なんか、ほんとゴメンナサイねー。
でもいいよね、わたしだって。こんないい思いしたって罰当たらないよね。だって、北海道に来てから十日間。一日中晴れていたのがわずか一日だけですよ、一日だけ(結局、この日も終日晴れて、二日目となりました。これを機にずっと晴れて欲しいもの)。
二日間まともに走らなかったせいか、ここまでは順調なペース。十二時過ぎる頃には百キロいっていた。
途中、雄冬岬に立ち寄る。しかし、なぜか岬らしいものは見当たらず。その代わり、白銀の滝という道路のすぐ脇にあるなかなか豪快な滝を見た。今まで北海道を走っていても、道のすぐそばに流れている滝をいくつか見かけた。もしかして、北海道ではこういった滝が多いのでしょうか。

午後二時過ぎ、今日の目的地である留萌に入る。ちょっと早いが、今日はこれで切り上げることに。次の大きな町まではけっこうあるし。今日はかなり走ったし。無理する必要ないでしょ。というわけで、後は寝る場所とお風呂を探せばOK。後半はトンネルの多い一日と相成りました。
しばらく自転車を走らせていると、驚いた。なんとまあ、もの凄い数の海水浴客が砂浜を埋め尽くしているのである。しかも今日は日曜日ということもあって砂浜はまさに芋洗い状態。
ここは北海道有数の海水浴場なのでしょうか。しかし、ここだけ見るとまったく北海道って感じがしない。北海道に海水浴、そんなイメージないもんなあ。
まだまだ寝るのには早いので、この近くにある観光スポットの黄金岬へ行く。
行ってびっくり。うわ。なんですかー、この人の多さは。先ほどの砂浜と負けず劣らずこちらもわんさか人がいるのです。見れば道の両側にはたくさんの車が停まっている。
へ?黄金岬ってそんなにメジャーなの?そんな疑問を抱きつつ近づいてよく見てみると、みなさん、青いバケツを片手に熱心に何かやっております。
何やってんだ?と思い、さらに近づいてみる。おお、なるほど。そういうわけか。そこは磯になっていて、岩場に隠れている小さな蟹を捕っていたのです。家族連れや友人、カップル、実に楽しそうに蟹を捕っています。なんか見ているだけでほのぼのとしますな。今まで走ることばっかりで、あまりのんびりしてこなかったわたし、しばらくその光景を眺めて心癒すのでありました。
あっ、そうだ。今日はここに泊まろう!突然、思いついた。でも、お風呂は?ええい、風呂なんていらん。海があるじゃないか。海に入ればかいた汗もすっきりするだろう。そう、海を風呂代わりに。おお、なんて素晴らしいアイディア!なんだか普段とは違うことをしようと思うだけでテンションが上がる。これぞ旅の醍醐味。
すばやく周りをチェック。見れば東屋もあるし、ベンチも一、二・・・・・・なんと七つもあるではないか。それに水場もある。少し離れているがトイレもある。こりゃ、いいや。あまりの好条件に思わずよだれが出そう。こりゃもう、泊まるしかない。いや、泊まれって言っているようなもんでしょう。
しかし、ここで問題が一つ。
どうやってこの人の多さの中で寝るか、ということである。今の時期、午後の六、七時でもまだ日が残っている。しかも、さっき見たガイドブックには、「ここは夕陽が綺麗に見える場所」、と書いてあった。ということは確実に夕陽を見るまで残っている人がいる。いるよな。果たして、そんな大勢人がいる中で、わたしは寝ることができるのだろうか?わたしにそんな勇気があるのだろうか?
うーん、でもこれは一つのチャレンジかも。自分が次へとステップアップ(なんのためのステップアップかよくわからんが)するためのチャレンジ。そう思った。というか、そう思うことにした。
よし、やってやろうじゃないかい。
おっと、昨日、大人数の中でで泊まったことで、いよいよわたしも自信をつけたか。
それにしても観光スポットで泊まろうなんて、大きく出たものです。知らんけんね、後で泣きべそかいても。
黄金岬と道路を挟んで向かいにある「海のふるさと館」へ行く。
そうなんです。完全に暇を持て余してるんです。
中に入る。一画には留萌市の資料館が併設されてあった。まあ、入ってみましょうかね。大して期待はしてないけど。
と思ったら、これが大当たり。思いのほか、ぐいぐい引き込まれるように見てしまった。
ここ留萌は海の荒いことで世界的にも有名な場所。しかも世界三大波濤の一つで(出たー!三大ナントカ。本当にそんなのあるんかいな?)、他には、イギリス、スコットランド北岸、それとインドのマドラス沿岸がそれに当たる。留萌は夏はべた凪というくらい風が吹かないが、それ以外の季節は風が荒れている。だそうです。
へー、そうなんですか。それは知りませんでした。
ということは、そんな世界的に有名な場所にわたしは来ているのですね。こりゃ、すごい!
と、普通は思うんでしょうね。
でもね、実感ナッシングなんですよ。だって今は夏。まったく風が吹いてないんだもん。
続いて海洋生物の剥製コーナーへ足を運ぶ。
どっひゃーん。トドでかすぎ。
驚いた。初めて知った。トドがこんなに大きいなんて。三メートルはあろうか。これ、クマなんかより大きいよね。もし戦ったらトドの方が勝っちゃうんじゃない。そう思うくらい迫力満点。
それに比べればアザラシなんて実に可愛いもの。トドとアザラシ、外見が似ているので同じくらいの大きさだと思っていました。
次に見たのは北海道の古い地図。ここには昔の地名も載っている。当然、留萌の昔の名前も。
あははは。マジ?いやね、留萌は、昔、「ルルモッペ」という名前だったんだって。
笑えるというか、語感が可愛らしいというか。なんか愛嬌のある名前ですよね。こうなったら、留萌という名前をやめて、ルルモッペに戻せばいいのに。なんだか名前だけで観光客を呼べそう。
いやー、ここはわたしの知的好奇心をくすぐってくれる場所だった。是非、近くに寄られた際には、黄金岬だけじゃなく、ここ、「海のふるさと館」もよろしゅうお願いいたします。
って、おれは留萌市の回し者か。

再び、黄金岬に戻る。行くとこ、ないんですよ。というか、あまり動きたくないし、みたいな。
とりあえず、これからのルートの確認でもしておきますか。
しばらく地図とにらめっこ。そうこうしているうちに、時刻は午後六時を回っていた。
さて、風呂でも入りますかね。
といっても、わたしの場合、海に浸かるだけですが。
しかーし。予想した通り、まだまだたくさんの人がいたのです。
さすがにこんな大勢の前で服を脱ぎだせば、「きゃー!なに、あの人、変質者よー」とも思われかねない。即刻警察に通報され即逮捕なんてことになりかねない。おいおい、勘弁してくれよ。なんで北海道くんだりまで来て犯罪者にならなあかんの。
結論。だめ。こんな人の多いところじゃだめなのです。
よって、人が少ないところ、人目につかないところを探す。しばし辺りを見渡す。
あった、あった。ありました。木造のちっちゃな船の陰。まったく人の目が届かないかというわけではないけど、さっきの場所よりは全然マシ。
早速、着替えを持ってそちらへ歩いていく。「さあってと、もう夕方だけど、これから海に入ろうかなあ」なんて感じで、シャツとカーゴパンツを脱ぎ始め、下着一枚になる。さすがに裸で入るのはちょっと無理そうなので素っ裸になるのはやめておきました。ちなみにわたしの下着、ボクサーパンツなのでおそらく遠目には下着とはわからない。はず。一応、「これは下着じゃないぞ。海パンだぞー」という無言のアピールをしつつ海の中へ。そっと足をつける。うわっ。冷てっ。日中は暑かったとはいえ、すでに夕方の六時。さすがに海水は冷たくなっておりました。頑張って首の下まで体を海につけ、すぐに出る。いや、とてもじゃないけど、寒くて入ってられないのですよ。ササッとタオルで身体を拭き、シャツを着、濡れた下着を新しいのに履き替え、カーゴパンツを履く。
OK。無事終了。いやー、実にスリリングな入浴でした。
来る途中に寄ったドッラグストアへ買い出しに行く。荷物をつけての移動は重いので、ベンチの上に置いていくことに。わたしが行きかけるとベンチの周りにヤンキー風の男、三人が集まってきた。
「おめえら、おれの荷物に手出しするんじゃねぇぞ」とサングラス越しににらみを効かせる。少し経ってから振り返ると、三人組は立ち去っていくところだった。効果、あったみたいです。
買い出しから戻ってくる途中、自転車に荷物をつけた外国人とすれ違う。へー、外国人なんて珍しい。それからしばらく走ると、今度は男女のカップルが自転車を停めて海を眺めていた。わたしはそこにあった一台のロードバイクに目を奪われた。おお!これ、もしかしてわたしが欲しい自転車じゃないかーい。そう、GIANTのTCR。ロードバイクのエントリーモデルで、やけにコストパフォーマンスが高いらしい。色も黒を基調とし、アクセントに赤を使った合格の色使い。
うおー、ちゃんと見たーい。急いで黄金岬に戻り、レジ袋をベンチに置き、すぐさまUターンしてカップルがいた場所に猛スピードで向かう。
が、時すでに遅し。彼らはすでにわたしの十メートルほど先を行っているところであった。
うわー、待ってくれー。必死にペダルを漕ぐ。汗をかきかき、なんとか追いついた。
「すいませーん」
わたしの声に気がついた男性が振り返る。その前方には自転車に乗った小学生らしき男の子と女の子がいた。どうやら、家族でサイクリングのよう。
「これ、GIANTのTCRですよね!十万円ちょっとするやつですよね?」
「そうですよ。知っているんですか?まだ買って二ヶ月しか乗ってないんですけどね」興奮気味に話すわたしを怪しむこともなく、お父さんはニッコリ微笑む。
「いやー、これ、欲しいんですよ。ちょっと見せてもらってもいいですか?」マジマジと自転車を見る。するとお父さん、「よかったら乗ってみますか?」というなんとも嬉しい申し出をしてくれるではあーりませんか。
「ええ!いいんですか!」
「いいですよ」
わーお。嬉しい。ドロップハンドル初体験です。こりゃテンション上がるなー。
お父さんから自転車を受け取り、ちょっと持ち上げてみる。おお!軽い。なんじゃ、こりゃ。わたしの自転車と比べても全然軽い。わたしが乗っているのは同じGIANTでもクロスバイク。さすがにロードバイク、段違いの軽さです。
そっと自転車を跨ぐ。イテテテ。あ、足が・・・・・足がつるー。いや、倒しちゃいけないと思い足を目一杯伸ばしたら足がつりそうになったのですよ。しかも乗り慣れていない自転車だし。
なんとか第一関門を突破し、サドルにお尻、ペダルに足を乗せ慎重に漕ぎ出す。あわわあわわ。びっくりした。いや、ハンドルがおぼつかないのです。ドロップハンドルってこんなに乗りにくいものなの?まったくハンドルが安定せず、あっちこっちフラフラする。しかもこれまで経験したことのないような前傾姿勢。同じ自転車とはいえ、まるで違う乗り物のよう。
必死にハンドルにしがみつき、なんとかペダルを回す。しかし、ヨタヨタ走行は変わらず。これ以上乗って、自転車を倒したらマズイと思い、あえなくここでリタイア。わずか一分のロードバイク体験でした。
うーん、乗る前はさっそうと走る姿を思い描いていたのですが、現実とはかように厳しいものなのか。想像と現実、こんなに違うものなんですね。
無事、自転車をご主人にお返しする。その後、しばし自転車話で盛り上がりお別れ。ご家族四人に手を振る。どうもありがとうございましたー!
それにしても、わざわざ人を止め、自転車を借りて乗ってしまうという。いつから、そんな度胸がついたんだ、わたしは。いや、きっと旅先だからできることんなんでしょうね。地元じゃ恥ずかしくてできませんよ。

さて、今日は夕陽を眺めながら寝ますかね。ついさっきまで、ここが夕陽の名所だとは知らなかったので、なんだか当たりくじでも引いたような気分。
が、残念。この頃になると、先ほどにはなかった雲が出てきて、ところどころ夕陽を隠してしまった。
あーあ。当たりくじと見せかけて、どうやらはずれくじだったみたい。まー、しゃーないですわ。
夕陽を見るために残っていた人も、三々五々、帰宅の途に。するとさっきまで賑わっていたのが嘘のように一気に静かになった。
さびしぃー。わたしの他に残っている人が一人だけ。ほんとみなさん、夕陽が目当てだったのですね。分かりやすすぎ。
寂しさを紛らわすため、ザックからラジオを取り出し聴く。でも、面白そうな番組がやっていなかった。仕方ないのでイヤホンを外して目を瞑ることに。辺りはすっかり真っ暗。暇なので頭の中でお気に入りの曲を鳴らしてみる。うーん、いい感じ。あまりの気持ちよさに三曲目を流したところからウトウトし始める。時折吹いてくる潮風が頬に心地よかった。
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